火山噴火から逃れるため移住して120年 10年ぶりに復活したエイサーで祝う 人口300人の久米島町・鳥島区

 沖縄県久米島町鳥島区の「字鳥島移住120周年記念式典」が11日、同集落内の七嶽神社で行われた。2019年を最後に途絶えていた「鳥島七嶽エイサー」が久しぶりに披露され、盛り上がった。同区は、硫黄鳥島の火山噴火や噴石に伴い約120年前に久米島に移住した住民でつくる。(真栄平京子通信員)

 エイサーは踊り手の高齢化や減少が原因で10年近く練習できない状態が続いていた。鳥島青年会(糸数忍会長)のメンバーが復活を望み、集落以外の若者にも呼びかけ、20~50代の町民男女が集まった。

 昨年6月ごろから鳥島公民館で週2回練習を重ね、昨年の夕涼み会でも披露。11日の移住記念式典では約10人が「クーダーカー」「うみやから」などの曲に合わせ演舞した。

 エイサーを披露した糸数未来さん(33)は「鳥島は地域の人との交流が盛んで楽しい行事も多い。今後も地域を盛り上げて次世代に残していきたい」と充実した表情を見せた。

 記念式典では、仲宗根弘之区長や桃原秀雄町長が「鳥島区がますます発展することを願う」とあいさつ。

 祝賀会も開かれ、移住当時の様子を再現する劇、子どもたちのフラダンスやハンドコーラス、久米島高校生らによる現代版組踊「ガサシワカチャラ」、三線の生演奏など盛りだくさんの演目で盛り上がった。

 同区は、県内最北端に位置する硫黄鳥島の火山噴火や噴石に伴い、1903~04年にかけ、硫黄の採掘労働者を除いた島民の大半に当たる528人が久米島に移住してつくった。人口約300人で半農半漁。

久米島への移住120周年記念式典で、鳥島七嶽エイサーを踊る鳥島青年会のメンバー=11日、久米島町鳥島の七嶽神社

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