毎年5月に高岡市伏木地区で開かれる「伏木曳山(ひきやま)祭(まつり)」の伏木曳山委員会は18日、伏木コミュニティセンターで開かれ、祭りの通常規模での開催を目指すことを決めた。伏木地区は能登半島地震からの復旧のさなかであり、実行委の針山健史会長は課題となる資金や安全の確保に向け、市内外から支援を募ったり、地盤調査を行うとした。
開催は山車(やま)を持つ全7町の代表者や実行委ら約40人の全会一致で決めた。実行委や山町などで協議を重ね、具体的な開催内容を決める。実行委は3月から5月17、18日の祭り本番前にかけて数回、業者による道路の地盤や電線の調査を行う。
例年、祭りの費用は各山町の保存会や自治会、行政の補助金などで賄っている。今年は安全調査に多額の費用がかかることが想定されるほか、一部の町内で自治会費の徴収ができない状況になっているため、市民らによる支援「サポーター制度」で、2千万円を目標に広く資金を募り、住民の負担を軽減する。
針山会長は、開催に賛否両論あったとした上で、実施を決めた理由について「地域に元気を与えたい。祭りが中止や延期になると伝統文化の継承に向けて懸念が出てくる」とした。
当番町である本町の脇田歩総々代は、今年の祭りは「復興祈願が一番」とした。
祭りの開催決定を受け、地元住民や関係者からは期待の声が上がった。
伏木曳山保存会長を務める塩谷雄一高岡商工会議所会頭は「できる範囲でやってほしい」と語った。