加古川出身の大学生、モデル・長尾祐さん(20) 発信力で「ミスター関大」 SNS徹底分析、連日7時間ライブ配信などで支持集め

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 カメラのシャッター音が響くと、屈託のない笑顔がクールな表情に変わった。すらりと伸びた手脚。さりげないポーズが決まる。

 関西大学(大阪府)のコンテスト「ミスターキャンパス」で、1年生の時に最上位のグランプリに輝いた。2年生の現在はモデル業も務める。

 兵庫県加古川市出身。中学生でファッションに興味を持ち始めた。10代のころから、プレッピースタイル(伝統的な上質の服を着崩すコーディネート)などさまざまな着こなしに挑戦してきた。2021年秋に推薦で大学進学が決まると、好きな着こなしを広く発信したいと、入学後のミスターキャンパス出場に照準を合わせた。

 同コンテストの選考期間は数カ月に及ぶ。その間、交流サイト(SNS)での活動などで、一般人や学生からの支持獲得が、評価につながる仕組み。春の入学までの半年間、過去の同コンテスト最終選考に残った出場者のSNS上での活動などを徹底的に分析した。数千件にも及ぶ発信内容を研究する中で、発信頻度や投稿文の内容が、優勝につながる鍵だと確信した。

 入学直後に出場エントリーがあり、書類選考や面接を経て、6月に最終選考まで進んだ。その後も、授業を受ける傍ら、毎日7時間のライブ配信を行い、支持拡大に精力的に取り組んだ。

 最後の決戦は11月、舞台上で6人の争い。特技のギターを披露した。そのパフォーマンスを含め、数カ月の取り組みが総合的に評価され、栄冠をつかんだ。多忙で当時の睡眠時間は1日2、3時間だったと振り返る。

 今年1月、能登半島地震が発生した。「発信力を持つ人が、しっかりと被災地の支援を呼びかけないといけない」と思い、SNSで募金を呼びかけた。

 卒業後の目標は広告業界。コンテストで培った「魅せる力」で未来を切り開く。(田中朋也)

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