【鹿沼】下粕尾の常楽寺でこのほど、「録事尊(ろくじそん)大祭」が行われた。名医を祭る寺に多くの参列者が訪れ、無病息災を祈った。
同寺は粕尾地区出身の医師中野智元(なかのちげん)(録事尊)=1190年没=を祭る。智元は日本で初めて生体解剖を行ったと伝わり、後鳥羽(ごとば)上皇の病気を治すなどの功績を挙げた。粕尾に帰郷してからも多くの市民の治療に当たった。
録事堂で2回に分けて護摩祈祷(きとう)を行った。堂内に同寺と同じ真言宗の住職たちのお経が響く中、参列者は護摩の炎を浴びて疫病退散や家内安全などを祈った。中野宣文(なかのせんぶん)住職(74)は「参列された皆さんが平和な一年を過ごせますように」と願った。