県職員4人に1人「過労死ライン」 1月の時間外労働

 4人に1人が「過労死ライン」超え―。能登半島地震対応に伴い、1月は県職員約3100人のうち約730人が100時間以上の時間外勤務を行っていたことが19日、県の集計(速報値)で分かった。このうち約180人は200時間も超過していた。県は管理職を含めて週1日は休むよう呼び掛け、相談窓口や熊本地震で熊本県も利用した健康管理システムの活用を促している。

  ●普段は月30人程度

 3100人は能登や南加賀の出先機関も含め、育児、介護休暇取得中などを除いた実働職員の人数。県人事課によると、通常、時間外勤務100時間超は月30人程度で、200時間以上は多い月でも数人という。

 1月、最も時間外勤務が多かったのは土木部職員の約330時間だった。部局別の平均は危機管理監室が約180時間、土木部が約100時間などとなった。労災認定基準に照らし合わせ、単月の時間外勤務は100時間、2~6カ月平均は80時間が「過労死ライン」と呼ばれている。

 県は事務職などを被災6市町に常時60~70人派遣し、保健師や土木、建築など技術職も本庁、出先機関から毎日120人以上送っている。ほかに応急仮設住宅の対応、なりわい再建支援、ボランティア調整などにも多数が従事しており、プロパー職員だけでは県庁業務が回らないため、全国知事会を通じて他県から約100人の応援を受けている。

  ●他県からの応援に期限

 「災害対応の局面が変わるのに従って次々と新たな業務が発生し、市町からも追加の人的支援を求められている」。県総務部の担当者は苦渋の表情を浮かべた。健康管理上、職員にさらなる負担を強いるのは難しいとするが、他県の応援にも期限があり、担当者は「工夫して引き続きできる限りの支援を実施したい」と話した。

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