住まい相談、安堵と不安 富山で2次避難者説明会 仮設の状況など伝える

今後の住まいについて相談する珠洲市の2次避難者=富山市内のホテル

 能登半島地震で珠洲市の被災者が2次避難している富山市のホテルテトラリゾート立山国際で19日、石川県の住まいに関する説明会が開かれ、52組75人が仮設住宅の状況や地元の最新情報などを尋ねた。さまざまな支援メニューを知って安堵する被災者がいた一方、仮設住宅への入居の先行きが分からず、不安を募らせる人も見られた。

 2次避難者向けの説明会はこれまで石川県内の16会場で開かれ、富山県内では初めての開催となった。

 石川県と珠洲市の職員がブースを設け、今後の住まいについて▽応急仮設住宅▽行政が家賃を負担する民間住宅(みなし仮設住宅)▽公営住宅▽修理した自宅―の4案を示し、インフラの復旧状況も説明した。石川県によると、珠洲市の応急仮設住宅の着工戸数は16日現在で550戸、うち40戸が完成している。申し込みは1799件に上る。

 自坊の禅宗寺院は形が残るものの、住める状況にはないという廣山淑恵さん(80)=馬緤町=は「今後の流れが分かり、ちょっと安心した。自宅の修理は仮設に入ってから考えたい」と話した。

 自宅が津波に襲われた浜岸節子さん(75)=宝立町=は罹災証明の判定が一部損壊だったことを初めて知り「状況的に一部ではないと思う。再調査してもらいたいが、珠洲まで遠くて行けない」と途方に暮れた。申し込み状況の多さから自宅に近い仮設住宅にいつ入居できるか分からず「よわった」と涙を流した。

 説明会は20日、輪島市の被災者が2次避難している黒部市宇奈月温泉の湯快リゾート宇奈月グランドホテルでも開かれる。

  ●久々散髪、笑顔 県美容業組合が出張

 ホテルテトラリゾート立山国際では19日、富山県美容業生活衛生同業組合による出張美容ボランティアが行われ、珠洲市の2次避難者が利用した。被災してから初めて散髪した被災者も多く、「ずっと髪を切りたかった」「さっぱりした」と笑顔があふれた。

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