「ロコモ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?年齢とともに、立ったり座ったりする機能が低下した「ロコモティブシンドローム」の略称です。
大人だけなく、子どもたちにも広がっています。その背景にあるのは、「姿勢の悪さ」や「運動不足」です。
運動器症候群、「ロコモティブシンドローム」。
年齢とともに、骨や関節などの「運動器」の働きが衰え、歩くなどの動きに異常をきたす状態のことを指します。
一般的には中高年に多く見られますが、近年、子どもたちの間でも、バランス能力や柔軟性が低下した「子どもロコモ」が増加傾向にあるというのです。
全国ストップ・ザ・ロコモ協議会 林承弘 理事長
「たとえばしゃがみ込みができないとか、あるいは体前屈ができない、肩が垂直に上がってこない。もうひとつはバランスが悪いということですね。雑巾がけができない。体を支えられず顔面を打ってしまいます」
日常生活にも支障が出る「ロコモ」。
子どもたちの体に異変が起きている原因は、姿勢の悪さや運動不足です。
全国ストップ・ザ・ロコモ協議会 林承弘 理事長
「スマホの姿勢ってのはもうすごく体の姿勢を悪くする一つの原因とも言えるんですよね。運動不足も重なってですね、体が硬くなっている。さらに追い打ちをかけるようにコロナですよね。さらに身体を動かさなくなって。いろんな動作が自分の手じゃなくて出来てしまう『超便利社会』が、逆に言うと、子供たちの体を使うことの経験を減らしてるってことが言えるかなと思います」
便利なものがあふれたことで体を動かす機会が減ったことや、スマートフォンやゲーム機などの普及で全身を動かして遊ぶ機会が減少。
基本的な体の使い方が身についていないといいます。
では「子どもロコモ」かどうか、どうチェックすればいいのでしょうか。ポイントは、4つです。
片足立ちで5秒間以上ふらつかずに立っていられるか。
途中で止まったり後ろに転んだりせずにしゃがむことができるか。
腕をまっすぐ上にあげることができるか。
前屈をして指が楽に床につくか。
1つでも当てはまると、「子どもロコモ」の疑いがあり、埼玉県で行われた調査では、1つでも当てはまった子どもが4割を超えたという結果もあります。
実際に、子どもたちにやってもらいました。
協力してくれたのは、小学2年生の5人。
コロナ禍では幼稚園で、自由な遊びが制限された世代です。
まずは、片足立ちです。
おっとっと。ふらふらしてしまう子も。
次に、しゃがみ込み。しっかり下まで腰を落とすことができない子も。
また、バンザイをすると、腕がまっすぐ上がらなかったりする様子が確認できます。
そして、前屈では、手がまったく届かない子もいました。
ではどうすれば、改善できるのか。
その方法のひとつが、「子どもロコモ体操」です。
意識するポイントは、肩甲骨、股関節、足の指の3つです。
まずは手を頭の後ろで組み、足を肩幅に開きます。息を吸いながら腕を後ろへ、息を吐きながら前に戻し、肩甲骨を動かします。
続いて、大きく伸びの運動。背伸びをして身体を大きく前に倒します。背中が丸まらないように気を付けましょう。
そして、スクワット。手を前に突き出し、肩甲骨を伸ばすようにして腰を下ろします。この時、足の親指が浮かないよう注意が必要です。
全国ストップ・ザ・ロコモ協議会 林承弘 理事長
「数分でもいいですから毎日必ず行うこと、それを継続するってのはものすごい大事だと思ってます」
親子で簡単に取り組める「子どもロコモ体操」。
毎日の習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。