高齢者の移動手段に…乗合バス「ちょこすか」試験導入1か月で100人利用 福島・須賀川市

高齢者が安心して免許を返納するためには、自家用車に変わる交通の整備が必要不可欠です。福島県須賀川市では、1月から高齢者の移動手段を確保しようと乗合バスの試験的な運行が行われています。

阿部正輝記者「こちらは須賀川市で先月から実証導入された乗合バスです。今は買い物に行くために7人の乗客が乗っています」

須賀川市長沼地区で1月に導入された乗合バス「ちょこすか」。利用するには、事前予約が必要で、1回300円で自宅から最寄りのバス停や商店などに行くことができます。65歳以上の割合が4割を占めるこちらの地区では「交通弱者」の移動手段として活用が期待されています。

須賀川市企画政策課・若林伸治課長「免許返納は年齢に伴いあり得る。そういった部分の代替になれればと思う」

午前9時半。およそ3キロ先のスーパーに行くため、7人の住民が「ちょこすか」を利用しました。全員が70歳以上の高齢者です。

利用者「このバスに乗るのは2回目。走ってくれれば利用できるありがたい」 利用者「こないだの鏡石の事故でやっぱり怖いなと思うようになった。こういうバスがあったほうがいい」

1か月で約100人利用「もっと遠くまで」の声も

市によりますと、導入から1か月間の利用者は延べ100人ほど。1日あたり3人から4人がこの「ちょこすか」を使い、買い物などに出かけています。しかし、利用者からは「まだ免許返納までは踏み切れない」という声も。

利用者「もうちょっと遠くまで行ってくれるといい」 利用者「病院に行くのにちょっと…郡山のほうだから。歳だから怖いなと思うが、返納するのもどうかなと悩んでいるところ」

市は、市街地などに行く際は既存の路線バスなどと組み合わせる形でちょこすかの活用を呼びかけています。

須賀川市企画政策課・若林伸治課長「今は一部の地域となっているので広げていきたい。ただ、他の市町村となるとまた別のハードルがある。それは次の段階になる」

交通弱者を取り残さない、住民と行政が一体となった環境整備が求められています。

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