復興、長期戦に…空から支援「ヘリの機動性は有効」 能登半島で活動の埼玉県防災航空隊員、知事に活動報告

大野元裕知事(左)に活動内容を報告する埼玉県防災航空隊員ら=19日、県庁

 能登半島地震の被災地での活動を終えた埼玉県防災航空隊員が19日、大野元裕知事に被災者の救助や地上部隊の輸送などの活動を報告した。菅野義高隊長(48)は「地震により陸路で支援が入れない孤立した場所では、機動性が生かせるヘリコプターでの活動が有効」と手ごたえを語った。

 菅野隊長ら第一隊は1月3~5日、石川県輪島市でワイヤーを使い昇降するホイスト装置を活用し被災者7人を救助。

 原大輔副隊長(40)ら第二隊は17~20日に転院搬送や輪島市で地上部隊、資機材の輸送を行った。転院搬送では被災し重傷を負った患者を神奈川県の病院に運んだ。任務後に拠点の富山空港に戻る際、被災地を上空から見て「道路は寸断され、土砂崩れも発生しており、(復興は)長期戦になりそうだと感じた」と振り返った。

 消防庁からの出動指示は2月12日に解除された。

 大野知事は「皆さんの活躍は随時報告を受けていた。これから航空隊の出動の重要性は増すと思うので、引き続き緊張感を持って備えてほしい」と鼓舞した。

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