英中銀総裁、市場の年内利下げ期待に「満足」 経済回復の兆しも

David Milliken Suban Abdulla

[ロンドン 20日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は20日、市場が織り込む年内の利下げ期待に「満足している」としながらも、2023年後半にリセッション(景気後退)に陥った英経済が持ち直している兆しがあると述べた。

英議会財務委員会で、利下げ時期や利下げ幅について明言しないとしながらも、「市場が(利下げを)考えるのは不合理ではない」とし、利下げが実施されるとの見方に「満足している」とした。

また、英中銀が利下げを実施する時点では、インフレ率が目標の2%を下回る必要はないと改めて語った。4─6月にはインフレ率が一時的に2%を下回ると見込まれている。

一方、英国立統計局(ONS)が先週発表した23年第4・四半期の国内総生産(GDP)が前期比0.3%減と予想を下回り、23年下期にリセッション入りしたことに言及。それでも、堅調な雇用統計など英経済がより力強いことを示す兆候など楽観視できる理由があるとし、「英経済はすでに実際に明確な好転の兆候を示している」とした。

ブロードベント副総裁は、英中銀が今年利下げを実施する可能性はあるが、それは経済の動向次第と述べた。

金融政策委員会(MPC)のディングラ委員は、英経済には大きなリスクがあり、金融引き締め政策はそれを悪化させるだけだとした。

ブロードベント副総裁とMPCのグリーン委員は、国内のインフレ圧力の重要な指標である賃金の伸びは、インフレの冷え込みに伴い、今後数カ月で鈍化に転じるとの見通しを示した。

ブロードベント副総裁はまた、サービス・インフレと賃金上昇率は現時点で、消費者物価指数(CPI)の伸びが2%目標を維持する水準の2倍程度の水準にあるとした。

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