商店街支援へ飲食券2000セット ザ金沢タウン、1万円で1万2000円分

飲食券の発売をPRするポスター=金沢市内

  ●3月2、3日販売

 金沢中心商店街まちづくり協議会(ザ金沢タウン)は3月2、3日、能登半島地震の影響で客足が減っているまちなかの飲食店を応援するため、プレミアム付き飲食券を初めて販売する。1万円で購入できる1万2千円分の券を2千セット用意する。香林坊や片町周辺の10商店街にある飲食店で使ってもらい、消費喚起につなげる。

 「ザ金沢タウン+(プラス)プレミアム飲食券」は、千円の券を12枚つづりで1セットとする。3月2日午前10時~午後8時、翌3日午前10時~午後6時に片町きらら特設会場で販売する。各日1千セットを先着順で販売し、売り切れ次第終了する。購入は1人4セットまでとする。

 利用できるのは、ザ金沢タウンの香林坊、片町、竪町、柿木畠、広坂の各商店街に加え、せせらぎ通り、新天地、新竪町、木倉町、片町伝馬の各商店街を対象とし、飲食券の効果をまちなか全体に行き渡らせる。使用は3月2日~4月30日とする。参加店舗のリストは今月中に、ザ金沢タウンのサイトで紹介する。

 飲食券のポスターを商業施設や商店街などで掲示し、発売をPRしている。

 地震の発生以降、石川県内では国内外からの観光客が激減。自粛ムードの広がりもあって、まちなかの飲食店は新年会などの予約キャンセルが相次いだ。足元では、コロナ禍で受けたゼロゼロ融資の返済が始まっている店も多く、飲食店関係者からは「支援策がなければ、つぶれる店が出てくる」と危惧する声が上がっていた。

 ザ金沢タウンは例年、冬に「金沢バル」と銘打ち、金沢の中心商店街での食べ歩き・飲み歩きイベントを開催してきた。チケットを購入して、参加店でドリンクとフードの限定セットを味わえる内容だが、夜営業が中心の店舗が多かった。今年は開催せず、飲食券を発売することで、ランチ需要のある店舗やカフェ、夜営業のバーやラウンジなど幅広いジャンルの飲食店で利用できるようにする狙いがある。

 飲食券の参加店舗には被災地への義援金箱の設置を呼び掛ける方針。担当者は「飲食券が、多くの人がまちなかに足を運ぶきっかけになり、能登復興への応援につながってほしい」と期待した。

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