ハーモニカ、心和ませ 富山のホテルで避難者

ハーモニカの演奏を楽しむ珠洲市の2次避難者=富山市内のホテル

 能登半島地震で珠洲市の被災者が2次避難している富山市のホテルテトラリゾート立山国際で20日、ハーモニカの演奏会が開かれ、避難者約30人が優しい音色に心を和ませた。ふるさとを思い出す唱歌の演奏もあり、口ずさみながら涙を流す被災者の姿が見られた。

 富山市内で活動するハーモニカグループ「エコーズ上滝」の6人が訪れ、春の歌のメドレーや「上を向いて歩こう」「故郷」などアンコールを含め9演目を披露した。避難者は懐かしい歌に耳を傾け、一緒に歌ったり、体を揺らしたりした。

 自宅が倒壊し、夫と身を寄せる高野幸子さん(72)=宝立町=は「家の前の大きな桜の木や歌をよく歌った学生時代を思い出した。ハーモニカの音色に心のわだかまりが少し溶けた」と感極まりながら話した。演奏会は富山市社会福祉協議会が避難所運営を担う市の依頼を受けて実施した。今後も週に1回のペースで踊りや歌、演奏などの団体による慰問を続ける。

© 株式会社北國新聞社