「認知症」行方不明者過去最多 未然防止へ…市がGPS機器購入補助 家族の精神的・身体的負担の軽減も期待

警察庁によりますと、2022年に警察に届け出があった認知症の行方不明者数は1万8709人。統計開始から10年連続で増加し、過去最多の数字となっています。
「認知症」行方不明者の増加を受け、鳥取県米子市では、GPS機器購入の助成を始めました。

鳥取県で2022年に行方不明になった人は306人。そのうち約2割、60人が認知症患者でした。

米子市はこうした認知症の人の行方不明を防ぐため、GPS機器の購入やレンタル費用の助成を今月始めました。

認知症の人などで行方不明になる可能性がある人を対象に、GPS機器の購入やレンタルにかかる初期費用を、最大1万円まで助成します。

米子市長寿社会課 長門航志 主事
「認知症等の人で行方不明になる可能性のある方の、安全の確保というところとまたその方の介護等を行うご家族の精神的、身体的負担の軽減といったところを目的としています」

米子市では去年8月、意味性認知症を患っていた荒川泰子(当時59)さんが行方不明となり、夫の勉さんが行方を捜しています。

18日、島根県出雲市内のスーパー付近で泰子さんらしき人を見かけたという新たな情報が勉さんのSNSに寄せられたということですが、泰子さんは現在も見つかっていません。

米子市ではこうした取り組みが、認知症の人などが行方不明になることの未然防止につながればとしています。

米子市長寿社会課 長門航志 主事
「こういった見守りのGPSの機器等を活用していただいて、認知症の人が安心して出かけられるような地域になればと思います」

米子市は3月には、QRコードを読み取ることで行方不明者の家族などと連絡を取ることができる「見守りシール」の交付も始める予定です。

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