千々石少年自然の家 廃止も視野に検討 長崎県教委

県立千々石少年自然の家の本館=雲仙市千々石町

 長崎県雲仙市千々石町の教育施設「県立千々石少年自然の家」について、県教委が廃止も視野に施設の在り方を検討していることが20日、分かった。担当する県教委生涯学習課は取材に「協議はこれから。方針などまだ何も決まっていない」としている。
 同施設の運営協議会(10人)で谷口誠志所長が、県教委から「廃止を含めて協議を進めていく」と説明があったと報告した。築50年を迎える施設の老朽化や少子化による利用者の減少、代替施設として国立諫早青少年自然の家(諫早市白木峰町)がある-のが理由という。
 委員からは「南島原市民が利用する場合、国立諫早までバスで1時間以上かかるため困る。見通しを早めに教えてほしい」という意見が出た。
 千々石少年自然の家は1974年、標高約260メートルの高台に開所。鉄筋の本館と計21室の宿泊棟のほか、ログキャビンやキャンプ場があり、最大250人が宿泊できる。敷地は約4万平方メートル。
 小中学校の宿泊学習を中心に83年度には利用者が3万5千人以上に達したが、少子化とともに減少。本年度は1月までで1万2千人超。2006年度から県青少年体験活動推進協会が指定管理者として運営する。
 同様の県立の教育施設は計5カ所。

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