【中国】BYD販売、24年にテスラ超えも=調査会社[車両]

市場調査会社のトレンドフォースは20日、世界の2024年の電気自動車(EV)販売見通しで、中国の比亜迪(BYD)の販売台数がEV世界最大手の米テスラを追い抜く可能性を指摘した。BYDが国内外での販売を順調に伸ばす中、海外拠点の稼働も加わることで、販売を後押しすると分析した。

トレンドフォースは、比較対象となる前年の数値が高いことを背景に中国での販売の伸びが鈍化するとみられる中、今年は中国の自動車各社が輸出に加えて海外拠点の展開を積極化させると指摘。「単一生産地」からの脱却が進み、世界でのシェアを急速に拡大すると分析した。ただ、より多くの貿易障壁が設けられた場合、中国の「新エネルギー車(NEV)」の世界開拓を阻むとの見方を示した。

EVとプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)の3車種を合わせた24年の世界販売は前年比29.5%増の1,687万台になるとみている。

■上位2社に23万台の差

3車種の23年の世界販売は前年比29.8%増の1,303万台だった。伸び幅は22年(54.2%)に比べ鈍化した。EVは24%増の911万台。PHVは45%増の391万台と高い伸びを示した。

EV販売台数のシェアは、テスラが19.9%で首位。BYDは17.1%と続いた。テスラは昨年第4四半期(10~12月)に世界EV販売で初めてBYDに首位を譲ったが、通年販売はテスラが180万8,581台、BYDは157万4,822台で、23万台以上の開きがある。

広州汽車集団傘下の広汽埃安新能源汽車(AION)はシェア5.2%で、初めて3位に入った。

4位以下は◇米ゼネラル・モーターズ(GM)系の上汽通用五菱汽車(SGMW):4.9%◇ドイツのフォルクスワーゲン(VW):4.6%◇ドイツBMW:3.6%◇韓国現代自動車:2.9%◇ドイツのメルセデス・ベンツグループ:2.6%◇上海汽車集団系の名爵(MG):2.3%◇韓国の起亜:2.0%——。

PHVの販売シェアでは、首位のBYDが33.8%と他社を圧倒した。2位は中国の理想汽車(Liオート、9.6%)、3位はBMW(4.3%)だった。中国勢は重慶長安汽車、BYD傘下の深セン騰勢新能源汽車(騰勢汽車)、長安汽車傘下の深藍汽車がそろって初めて上位10位入りした。

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