プレーオフスポットを狙うレイカーズとウォリアーズにピアースが辛口評価「ファイナルまで勝ち進むチャンスがあるのはこの1年間だ」<DUNKSHOOT>

NBAは現地2月21日(日本時間22日)にオールスターブレイクが終わり、翌22日からレギュラーシーズンが再開する。今後はプレーオフ、プレーイン・トーナメントに向けた順位争いが過熱し、1試合ごとの勝敗がより重要になってくる。

22日に予定されている12試合のうち、最大の注目カードはロサンゼルス・レイカーズとゴールデンステイト・ウォリアーズによる一戦だろう。両チームは1月27日に今季初めて対戦し、2度の延長にもつれ込む大激戦の末にレイカーズが敵地で勝利(145-144)を飾った。

現時点でレイカーズは30勝26敗(勝率53.6%)でウエスタン・カンファレンス9位、ウォリアーズが27勝26敗(勝率50.9%)で同10位と、プレーイン進出圏内の下位2枠にいる。しかし2月はここまでレイカーズがウエスト1位タイの6勝1敗(勝率85.7%)、ウォリアーズも7勝2敗(勝率77.8%)と好調だ。

ただし、ホームのチェイス・センターで行なわれる22日の試合に向けて、ウォリアーズの目立った故障者はクリス・ポール(左手)だけなのに対し、レイカーズはレブロン・ジェームズ(左足首)、ジャレッド・ヴァンダービルト(右足)、クリスチャン・ウッド(左ヒザ)、ゲイブ・ヴィンセント(左ヒザ)、キャム・レディッシュ(右足首)、マックス・クリスティ(右足首)が欠場予定と、両チームの健康状態には大きな開きがある。
とはいえ、昨季プレーオフのカンファレンス・セミファイナルで6試合に及ぶ激戦を繰り広げた両チームの直接対決は、NBAファンにとっては常に注目の好カードだ。

特に今季は3月と4月にも1回ずつ直接対決が残されており、今の順位のままいけばプレーインの初戦で激突することになる。大ベテランながら今もなおリーグの第一線で活躍を続けるレブロンとステフィン・カリーが健在な限り、レイカーズとウォリアーズを覇権争いから除外することはできないだろう。

一方で、現役時代にボストン・セルティックスなどでプレーしたレジェンドのポール・ピアースは、22日に公開された人気ポッドキャスト番組『All The Smoke』へ出演した際、両チームに対して厳しい指摘をしていた。

「俺が唯一確信しているのは、デンバー(ナゲッツ)がファーストラウンドで負けることはないということだ。ほかについてはマッチアップ次第で脱落する可能性がある気がしている。俺はブロン(レブロン)対若手、ステフ(カリー)と若い連中といった構図に金を賭けたりはしない。レイカーズとウォリアーズにとって、ファイナルまで勝ち進むチャンスがあるのはこの1年間だ。それが過ぎれば、彼らの快進撃も終わるだろう」 現時点で、ウエストの1位~6位はミネソタ・ティンバーウルブズ(39勝16敗/勝率70.9%)、オクラホマシティ・サンダー(37勝17敗/同68.5%)、ロサンゼルス・クリッパーズ(36勝17敗/同67.9%)、昨季王者ナゲッツ(36勝19敗/同65.5%)、フェニックス・サンズ、ニューオリンズ・ペリカンズ(いずれも33勝22敗/同60.0%)となっている。

ウルブズ、サンダー、クリッパーズ、ナゲッツの上位4チームはよほどの大崩れでもしない限り、顔ぶれが変わることはないだろう。そのため、レイカーズとウォリアーズとしてはプレーオフへストレートインできる6位を目指したいところだが、サンズ&ペリカンズとレイカーズは3.5ゲーム、ウォリアーズは5.0ゲーム離れており、険しい道のりとなることは間違いない。
昨季はともに下位シードから1回戦を勝ち進んだ両チームだが、今季は仮にプレーオフまで駒を進めても、ホームコート・アドバンテージなしで臨むファーストラウンドを勝ち抜くのは厳しいとピアースの眼には映っているようだ。

また、来季以降に目を向けても、ウエストで現在トップ2を形成するウルブズ、サンダーは若手が中核を担っており、チームとしての成長が見込める。さらに、今季ケガ人続出によって13位(20勝36敗/勝率35.7%)に沈むメンフィス・グリズリーズが、ジャ・モラントを中心に再び上位進出が期待できるとピアースは見ていた。

はたして、レブロン率いるレイカーズとカリー擁するウォリアーズというNBAの超人気チームは、ここからどんな巻き返しを見せるのか。シーズン後半戦からも目が離せない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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