「なんで私1人でも反対ですと言えなかったんだろう」松江城近くの高層マンション建設 景観審議委員多数が答申の見直し要望

松江城近くの中心市街地に建設される高層マンション。この計画案をいったん了承した松江市の景観審議会の委員の大部分が、2023年10月の答申を見直して審議会を再開させるよう求める要望書を松江市長あてに提出しました。

松江市景観審議委員 金坂浩史さん「なんであそこで、私1人でも反対ですと、稜線を妨げてますと。言えなかったんだろうと。後悔してます」

松江市の景観審議会は、2023年に、19階建ての高層マンション建設計画案について、上定昭仁市長の諮問を受け、全会一致で了承していました。

しかし、今回、委員全体の4分の3に当たる9人が、天守閣からの眺めなどに限定された諮問内容が妥当ではなく、周辺の街並みとの調和も一体として審議されるべきだったなどとして、審議会のやり直しを求める要望書を、20日、市に提出しました。

松江市景観審議委員 金坂浩史さん「街の中から松江城を見て、ああ良い街だなとか思うのが、市民にとっての景観だと思います。そこの視点が大きく抜け落ちてたと。市民の方に申し訳ないなと」

要望を受け、上定市長は、「現時点での再度の諮問は考えていない」としながらも、「審議会委員からのご意見であり、適切に対応する」とのコメントを発表しました。

この問題について、島根県の丸山達也知事は…

島根県 丸山達也知事「諮問の内容がおかしかったとか、松江市側の手順に問題がないのであれば、もう1回やり直したいっていうのは、仕事の仕方として審議会の委員のみなさんは、反省しないといけないと思います」

20日の定例記者会見で、丸山知事は、あくまで「松江市が決めること」と断ったうえで、このように自身の考えを述べました。

島根県丸山達也知事「行政手続き論としては、(審議のやり直しを求めることは)異常なことを言われているというのが率直な受け止め。もっと規制を厳しくすべきだったんじゃないかって話はあるかもしれないけど、制度を変えてそれを施行した後のもの(計画案など)しか適用されない」「さかのぼって規制強化なんてできない」

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