1300万円窃盗疑いの警部補を懲戒免職 「職務への信用著しく損なう」 当時の上司も責任問い大量処分

京都府警

 京都府警の警察官が捜査で訪れた民家で金品を盗んだとされる事件で、京都府警は22日、高齢者らから計約1300万円を盗んだ窃盗の疑いで、府警捜査2課の警部補の被告(57)=窃盗罪で公判中=を追送検した。窃盗と詐欺、虚偽有印公文書作成・同行使の罪で起訴されており、府警は同日、被告を懲戒免職とし、監督責任を問い、当時の上司だった幹部12人を内部処分とした。

 内部処分は、50代警視1人と40代警部3人を所属長注意▽50代警視正1人と40~50代警視5人、40代警部1人を口頭厳重注意▽60代警視1人を指導―とした。

 追送検容疑は、山科署警務課勤務だった2015~19年ごろ、同署に相談に来た高齢女性宅に複数回訪れ、約1200万円を盗み、伏見署刑事課員だった22年2月、変死事案の捜査中に京都市伏見区の民家から約80万円を盗むなどした疑い。府警によると、いずれも容疑を認めているという。

 被告はこれまでに、窃盗や詐欺、虚偽有印公文書作成・同行使の罪で起訴された。起訴状などによると、伏見署刑事課に所属した19年、変死事案の捜査中に民家から腕時計と約10万円を、20年にも金融機関からの情報を悪用して高齢女性宅から約300万円を盗んだとされる。21~22年、捜査協力者への謝礼と虚偽報告し、捜査費約7万円をだまし取ったとされる。

 府警の調べに被告は「借金の返済や飲食代、交遊費に使った」と供述しているという。

 森功治首席監察官は「被害に遭われた方、家族に深くおわび申し上げる。警察活動中に犯罪行為に及ぶなど職務への信用を著しく損なう事案であり、厳正に処分した」などと謝罪した。

 被告は昨年4月、京都府宇治市の量販店で商品16点(1万8千円相当)を万引し、書類送検された。同8月、過去の犯行を上司に告白し、府警が捜査していた。

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