ECB、利下げ検討は尚早 インフレ抑制も「忍耐必要」=議事要旨

[フランクフルト 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が22日公表した1月24─25日の理事会の議事要旨で、利下げについて討議するのは尚早との認識が共有されていたことが分かった。インフレは制御されつつあるものの、急速な賃金の伸びと基調的な物価上昇圧力を踏まえての判断という。

ECBは同理事会で政策金利を過去最高の4%で据え置くと決定。インフレ対策へのコミットメントを改めて確認し、金融緩和を検討し始めていることは示唆しなかった。

議事要旨は「全体として、継続性、慎重さ、忍耐が依然として必要であることが示唆された」とし、「今回の理事会で利下げについて討議するのは尚早との幅広いコンセンサスがあった」とした。

同時に、理事会メンバーはインフレ見通しについて楽観的な見方も表明。「これまでの多くの理事会で初めて、インフレ目標達成に向けたリスクはほぼ均衡しているか、少なくとも均衡しつつあるとの見方が示された」としたほか、ディスインフレは予想通りに進行しているとし、特にエネルギー価格の低下を受け、ECBは3月に発表する見通しを下方修正する可能性が高いとした。

ただ「当初のインフレの衝撃はほぼ収束したものの、第2ラウンドの影響の収束が今後の課題になる」と指摘。現時点でインフレ目標が達成されず、物価上昇がオーバーシュートすれば、物価の抑制は一段と困難になるとの慎重な見方も示された。

ECBの次回理事会は3月7日。今後の利下げに道を開くために声明の文言などが変更されると予想されている。ECBは6月に利下げに着手するとの見方が大勢になっている。

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