廃食油を航空燃料に 東北初・尾花沢市、大石田町など協定

廃食油を再利用した航空燃料製造に向け、常盤小の児童が見守る中で協定書を交わした締結式=尾花沢市役所

 家庭で出た天ぷら油をはじめとした廃食油の再利用に向け、尾花沢市と大石田町などは22日、石油元売り最大手ENEOS(エネオス)など3社と協定を結んだ。二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない航空機用再生燃料(SAF(サフ))の製造に活用する取り組みで、協定は東北初。

 協定を結んだのは、この他、家庭用ごみ収集を担う尾花沢市大石田町環境衛生事業組合、廃油回収業のあやめサービス(山形市、阿部信行社長)と吉川油脂(栃木県、吉川千福社長)。

 SAFは世界的に供給量が少なく、日本も輸入に依存している。一方、経済産業省は2030年から航空燃料の10%をSAFに置き換える方針で、国内での原料確保が急務となっている。エネオスは26年度からSAFの本格製造を始める考えで、銀山温泉の玄関口として、航空機を使って多くの外国人が訪れる両市町とタッグを組んだ。

 尾花沢市役所で行われた締結式で同市常盤小の児童が見守る中、結城裕市長、庄司中町長らが協定書を交わした。銀山温泉やそば店などからの回収も見据えており、結城市長は「取り組みを全国に発信するとともに、インバウンド(訪日客)拡大を進めたい」と述べた。

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