諫早湾干拓の調整池で太陽光発電 長崎県、新年度から可能性を検討 企業立地や投資拡大へ

諫早湾干拓事業で造成された調整池(奥)=2022年4月、諫早市

 再生可能エネルギーの利用拡大に向け、長崎県は22日、国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防内側にある調整池(約2600ヘクタール)を活用した水上太陽光発電の可能性について、新年度から検討を開始すると明らかにした。発電規模や設置範囲は今後検討するが、実現すれば水上太陽光としては国内最大級になる可能性があるという。
 平地が少ない本県で、広大な面積がある調整池を有効活用するため検討する。水面に太陽光パネルを浮かべ、生み出した電力は地場企業や農林水産業などでの使用を想定。発電事業は民間事業者を募るという。
 県新産業創造課によると、国内の水上太陽光発電では千葉県の山倉ダムで、ダム湖面(約60ヘクタール)を活用した施設が最大。調整池で実現した場合「面積だけ比較すれば国内最大級の規模になるのでは」(同課)としている。
 27日の県議会一般質問で大石賢吾知事が正式表明する。4月以降に県や諫早、雲仙両市による検討会を経て、地元の農漁業者や住民らを交えた協議会を設立。設置可能性のほか、事業区域や環境保全の取り組みなどについて話し合う。
 同課は「再生可能エネルギー導入を推進することで、新たな企業立地や投資拡大、農水産物の付加価値創出につなげたい。脱炭素化と地域活性化を両立できれば」としている。

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