最上町の赤倉温泉スキー場で22日に競技が始まった国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会「やまがた雪未来国スポ」のアルペンで、成年男子Bの佐藤慎太郎選手(27)=置環=が頂点に立った。10年ぶりの地元開催大会での優勝と、大切な人へのプロポーズ。大会前から胸に期した二つの有言実行を見事に果たしてみせた。
この日は人生の大事な節目となった。競技後、所属企業・置環(米沢市)の元同僚で、応援に来た交際1年半の斎藤美花さん(30)=新庄市出身=にその場で結婚を申し込んだ。県外も含め多くの関係者が笑顔で見守る中、指輪と花束を渡して快諾をもらった。
周囲には昨年から「地元開催の国スポで優勝し、プロポーズする」と話していたという。国スポに対しては「山形を背負い、地域に貢献できる大会。気持ちが高ぶる」と愛着を語る。特に今回は、自身も選手として脂が乗った時期で迎えた巡り合わせを喜んだ。重圧と自信の両方を胸に抱えながら、狙った優勝をきっちりと射止めた。
記録的な暖冬少雪で開催が危ぶまれた中、コース設営に尽力した関係者への感謝も忘れない。自らも整備を手伝ったといい「地元の皆さんや同級生、コーチなど、みんなでつくったコースで優勝できたのが何よりうれしい」と語る。栄冠をつかんだゲレンデで、人生を共に歩むパートナーと晴れやかな笑顔を浮かべ、冬季スポーツの祭典を熱く熱く、盛り上げた。