中国、辰年で出生数増加 人口減少緩和も=現地メディア

[香港 23日 ロイター] - 中国の経済メディア「第一財経」は、辰(たつ)年の今年、中国各地の病院で出生数が増加していると報じた。2024年の人口減少を和らげ、当局者に朗報をもたらす可能性がある。

中国で辰年は特に縁起が良いとされる。第一財経によると、今月10日からの旧正月の病院データで出生数の「大幅」な増加が示された。

江蘇省無錫のある病院では1年前と比べて20%、陝西省の病院では72%、それぞれ増加したという。

中国では未婚の母親が子育て支援を受けられない場合が多いため、婚姻率と出生率の関連性が強い。婚姻登録数は昨年、新型コロナウイルス禍で後ずれしていた影響から数年ぶりに増加した。

人口高齢化が急速に進む中、中国の当局者は出生率の低下を憂慮しており、習近平国家主席は昨年、国家発展のためには結婚と出産の新しい文化を積極的に醸成する必要があると述べた。

ただ、就職難や記録的な若年失業率、慢性的な消費者心理低迷を背景に、多くの若者は独身を選んだり、結婚を先延ばしにしたりしている。

人口統計学者は辰年のベビーブームが長続きする可能性は低いとみる。高い育児費用に加え、結婚やキャリア中断に消極的な姿勢から、子どもを持たない選択をする女性が増える見通しという。

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