24日に開幕する自転車ロードレースの国内最高峰のリーグ「JBCF」に向けて、ヴィクトワール広島が先週、最後の合宿をしました。今シーズン、チームに新たに加わったのが、2022年の日本チャンピオン、小野寺玲 選手です。
午前7時、広島市佐伯区の湯来ロッジはー2℃…。ここで、ヴィクトワール広島のシーズン開幕前の最後の直前合宿が行われました。
小野寺選手「おはようございます。(いかがですか、温泉?)朝風呂まで漫喫して、つやつやでございます」
小野寺玲選手、28歳。RCCがヴィクトワール広島に密着した2018年の栃木大会。宇都宮クリテリウムでみごと優勝…。独特の “オノデライダー” ポーズを披露していました。
その後、数々の優勝を経験。10年目の節目を終え、今季、国内トップチームの宇都宮ブリッツェンから広島に移籍してきた日本のトップライダーの1人です。
小野寺選手「レースに対応する負荷の部分、そこをあげていかないといけない。今回もまだ物足りなさを感じていたので、これから残り数週間ですけども、上げられたらいいなって感じですね」
朝7時半から食事…。食事にもこだわりが強い小野寺は、バランスよくおかずを選んでいきます。
小野寺選手「朝はいっぱい食べたい人だから、朝ビュッフェだとすごくうれしい」
合宿には、チームから5人が参加しています。
小野寺選手「新しさというか、すごくおもしろいメンバーがそろっているのでコミュニケーションを取るのも楽しいですし、新しいロードレースの走り方、このチームとともに見つけられたらと期待度は高まっていますね」
食事が終わるとミーティング。サポートカーに乗る中山監督も一緒に、この日の練習の確認です。小野寺にとっては初のコースなので、しっかりと確認します。
スタートする前に小野寺はストレッチを入念に行います。
小野寺選手「自分自身も昨年、ちょうどプロデビュー10年目の歳でこれを機に引退するかっていう道を考えてはいたんで、その最中、こっちのチームの中山監督にお声がけいただいて、まだ期待していただける声があるならば今は辞めてしまうのはもったいないなってことで継続することにして、こっちに来ました。続けた以上はその上を目指さなければいけないんですけど」
ー3℃という寒さの中、5人は120キロのロングライドに挑みます。
ストイックに取り組む先輩の姿は、若い選手にどう映るんでしょうか?
久保田選手「いい雰囲気ですね。みんなで作り上げていくような。経験も知識もすごくあるので頼りがいがありますね」
宮崎選手「新しいメンバーで合宿2回目ではあるんですけど、距離と強度もかけられて、いい練習ができていますね」
中村選手「練習コースはぼくが広島県民だし、わかるのでってことで考えました。玲さん、おもしろいですね。趣味も多彩ですし、話を聞いていたらおもしろいです」
山口選手「話も上手で練習に関するメニューも全部、自分で考えられていて、すごくあこがれます」
一見、個人競技のようでもあるロードレースですが…
小野寺選手「ぼくらから考えたら完全にロードレースはチームスポーツであって、個人がたとえ強くたって勝てるわけじゃないんですね。そういう意味ではチームメイト全体が同じ目標を持って連携ができて、信頼関係が築けあえて、初めてロードレースってできると思っているので」
この日は整える程度と言っていましたが、坂道に入るとみんな、急に踏み込み始めます。小野寺もスパートをかけます。
小野寺選手「勝負に使う瞬発系の力っていうのは、出せるマックスの領域っていううのがあるんですけど、そこをもう少し上げて、かつ練習に必要なインタバル能力だったりとかを体に順応させる段階だと思います」
勝利のゴールの瞬間にする “オノデライダー” のポーズは、あるヒーローを真似したのだそうです。
小野寺選手「仮面ライダーをモチーフにしたんですけど、ぼく自身、あんまり仮面ライダーを知らないんですけど。自分が勝って初めて自分が持っているオノデライダーポーズというのが出せるので、まずはしっかりと勝利をこのチームでしっかり挙げたいですし」
小野寺にはチームエース的な役割が求められています。
小野寺選手「ぼくも今までほかの選手を引っ張っていく立場っていうのはなかったので、そういった覚悟を持って、みんなを引っ張っていく覚悟を持っていけたらなと思っています」
中山卓士 監督「やっぱり日本一のチームにこの広島のチームをしたいっていう思いがあったので。ことしこそはその部分に到達できるようにがんばりたいなと思います」
小野寺選手「広島のファンのみなさんもぼくが来たことでレースがより楽しくなるんじゃないかと期待を持ってくださっていると思うので、そういった期待に応えられるように見ていて楽しい、わくわくするようなレースができるようにしたいですね」