「ももんじファクトリー」国産ジビエ認証取得 長崎県内の施設で初 適切な衛生管理や流通規格

国産ジビエの認証書と、イノシシ肉を手にする谷口施設長。写真左の機械は金属探知機、同右は急速冷凍庫=長崎県島原市上折橋町、同ファクトリー

 長崎県島原市上折橋町のイノシシ肉処理施設「ももんじファクトリー」(谷口秀平施設長、従業員3人)が14日、国が適切な衛生管理や流通規格に従って野生鳥獣肉(ジビエ)を扱っていると認めた「国産ジビエ認証」を受けた。認証を受けるのは県内で初めて。国内では36番目。
 同制度は、消費者に安心して国産ジビエを味わってもらおうと農林水産省が2018年に創設。厚生労働省のガイドラインに基づく徹底した衛生管理のほか、捕獲日や解体日を消費者が確認できる表示ラベルの添付などが条件。
 同ファクトリーは15年9月、大分県由布市のジビエ卸業「椿説屋(ちんぜいや)」が島原市の補助金を活用して開設。22年度は島原半島で捕獲されたイノシシ(全5858頭)のうち、328頭を食肉処理している。
 谷口施設長は農水省が登録する「ジビエ利活用コーディネーター」でもあり、捕獲者に適切な血抜きなどの指導もしている。仕留めたイノシシは1時間以内に同ファクトリーまで搬送され、その日のうちに解体・枝肉化される。
 約50平方メートルの施設内には▽解体室▽精肉室▽包装室-が区画されており、金属片が混入していないかチェックする金属探知機や、鮮度を保ったまま保存できる急速冷凍庫などを備えている。
 谷口施設長は「島原のイノシシ肉はおいしいと、東京のフランス料理店や県内の大手スーパーなどから高い評価を受け、取引が続いている。農産物の食害防止にも役立つので、認証を機にさらに体制を拡充して現在の2倍ほどまで処理能力を高めていきたい」と話している。

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