【香港】日本酒試飲会、今年はクラフトサケで新風[食品]

ジェトロ香港事務所が開催した日本酒の試飲会。シチュエーションごとに五つのブースを設けた=23日、尖沙咀(NNA撮影)

日本貿易振興機構(ジェトロ)香港事務所は23~25日、九龍地区・尖沙咀の商業施設「美麗華広場(ミラ・プレース)」で、日本酒の試飲会を開催した。「マイ・ハウス・サケ」と題し、自宅で気軽に楽しめる日本酒を見つけてもらおうと50種類以上を集めた。個性的なクラフトサケ(日本酒の製造技術を用いて製造された酒類)も紹介した。

シチュエーションごとに五つのブースを設置した。一人飲み向けには「熟酒(じゅくしゅ)」や「醇酒(じゅんしゅ)」、カップル向けにはスパークリング、トレンドに敏感な人向けにはクラフトサケなどを用意。専門家を招き、日本酒の楽しみ方や料理とのペアリングを紹介するワークショップも20回以上開催した。

23日に行われた開幕式には、在香港日本国総領事館の岡田健一総領事(大使)が出席。日本酒の対香港輸出額が世界3位であることや、1月の訪日香港人が2019年同月比2割増となったことを紹介した上で「香港は非常に大きなポテンシャルがある場所だ」と述べた。

ジェトロ香港事務所の天野真也所長は「レストランで日本酒をたしなむ人は増えたが、自宅で飲む楽しさを知っている人はまだ少ない。イベントを通じ、自宅で友人や家族と日本酒を楽しむ文化を伝えたい」とあいさつした。

今回の試飲会ではクラフトサケのPRに特に力を入れた。香港のバッチワン・サケが福岡県のクラフトサケ醸造所「リブロム」と提携して開発したクラフトサケは、茶餐庁(香港式大衆カフェ)のレモンティーレシピを基に、福岡産レモンを使ったレモンティー風味。共同創業者のアンソン・ワン氏は「香港人をターゲットにするなら、香港ならではの味の酒を作りたかった」と説明した。

ジェトロ香港の山崎裕介・市場開拓部部長は、クラフトサケを通じて若年層にアプローチしていきたい考えを示した。ジェトロ香港の食品・酒類・観光プロモーション専門家、欧シ翹(シ=くさかんむりに止)氏は「輸出の拡大には香港人を飽きさせないことが重要だ」と指摘した。

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