カターレJ2復帰へこだわり 「勝ち点1」きっちりと

開幕戦で声援を送る富山のサポーター=横浜市のニッパツ三ツ沢球技場

  ●小田切監督「今後のプラスに」

 J3・カターレ富山が敵地での開幕戦できっちりと勝ち点を積んだ。Y.S.C.C.横浜と1―1のドローとなったものの、小田切道治監督は「最低限の結果は残せた」とうなずき、「勝ち点1を取れたことは今後のプラスになる」と1点にこだわるサッカーでJ2復帰を見据えた。

  ●新加入の松本がゴールお膳立て

 気温4度。冷たい雨が降り、選手の吐く息が白くなる。ゴール裏では約170人の富山サポーターが熱い声援で盛り上げる中、富山の新戦力が躍動した。

 試合が動いたのは前半16分。ルーキーのFW碓井聖生選手(上市町出身)が自身J初ゴールを挙げた。ツートップを組む新加入FW松本孝平選手のお膳立てで、鮮やかにネットを揺らした。

 注目の2人のコンビネーションはばっちり。碓井選手が「孝平君がうまく相手を引き付けてくれた。パスを出してくれ、流し込むだけだった」と目を細めると、松本選手は「本当は自分で点を取りたかったが、勝ちにいくため聖生を使った。今回は譲ったので、今度プレゼントが返ってくるかな」と笑った。

 試合は前半29分に元富山のFW萱沼優聖選手にヘディングを決められて同点とされ、最後まで追加点を奪えなかった。

 小田切監督は「さらに一歩前に行く判断やボールを保持する力、そういった質の部分が足りなかった」と課題を指摘。主将のFW吉平翼選手は前を見据え「引き分けの後の試合がその引き分けの価値を決める。次につなげられれば問題ない」と力強く語った。

 昨季はJ3最多に並ぶ59得点の攻撃力を持ちながら、得失点差で3位となり昇格を逃した富山。「覚悟」をスローガンに掲げた今季こそ、悲願を成し遂げてみせる。

 富山は3月2日、香川県丸亀市のPikaraスタジアムでカマタマーレ讃岐と対戦し、同9日に奈良クラブとホーム開幕戦(富山市の県総合運動公園陸上競技場、午後2時開始)を迎える。

  ●600人が声援高岡でPV

 高岡市のイオンモール高岡西館でパブリックビューイングが行われ、サポーターら計約600人が熱い声援を送った。試合後は「これからだ」と悲願の昇格に向けてイレブンを後押しする声が上がった。

 立ち見が出るほど詰め掛けたサポーターは、セットプレーのたびに手拍子で得点を期待。先制点の場面では喜びを爆発させた。

 カターレグッズのほか、専門店「靴下屋」とコラボレーションしたソックスも販売された。PV会場では能登半島地震の募金が行われ、マスコット「ライカくん」が呼び掛けた。PVに合わせて、通常は御旅屋セリオで開催されている「オタヤこども食堂」がモール内の別会場で開かれ、子どもらが声援を送った。

応援するサポーター=高岡市のイオンモール高岡

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