サイスガジェット、次世代水上ドローン「Bluebottle」販売開始。1ヶ月以上の長期水上観測が可能

詳細は、2024年2月28日(水)から東京ビッグサイトで開催される『WIND EXPO[春]2024 ~ 第13回[国際]風力発電展[春] ~』において発表するという。

Ocius社Bluebottleは苛酷な気象環境下で数ヶ月以上の海洋観測ミッションが遂行できる世界で最もタフな自律無人水上艇として知られており、オーストラリア海軍がASW用途で5隻を所有するなど、堪航性が要求される分野で採用されていいるという。

ハイブリッド動力で永続的な海洋調査が可能

Bluebottleは遠隔操作で収納/展開が可能な、大型ソーラーパネル搭載のハードセイルが特長だ。従来のセーリング型USVはハードセイルが収納できなかったため、設計以上の暴風下では艇の安全を確保しながらの海洋観測が困難だという。

また強い向かい風の中では前進効率が著しく損なわれ、予定期間内でのミッション完了が困難だ。Bluebottleは極端な暴風下ではセイルを収納した状態で太陽光発電を行い電気推進で前進できる。また長期間にわたり日照が不足する場合でも、艇が波で上下運動する力を前進推力に変換する”フリッパーフィン“の効果で航行を継続することが可能だという。

航行モードに合わせて起倒可能なハードセイル
波の力を推進力に変えるフリッパーフィン

無人システム軍事演習で優秀な成果

2023年11月にシドニー近郊のジャービス湾でAUKUSにより対潜戦ASWサポートを主要ミッションとして行われた無人システム軍事演習「Autonomous Warrior 23」において、複数のUSVで参加したBluebottle艦隊は風速13m~15m/秒、時には25m/秒を超える暴風状態の中、予め設定されたコース通りに曳航ソナーアレイによる海中探索を完了するなど、演習に参加した無人艦艇の中でも優秀な成績を納めた。

これはBluebottleが優れた堪航性を有していることの証明にもなり、AUKUSの海事担当者だけでなく、世界の海洋無人システム関係者の注目を集めたという。

防風下でも設定コース通りに海中探索を完了

強力なペイロード電力供給

3タイプあるBluebottleのうち、最新設計のBathy Class USVは水上ドローンとしては希有な5kWディーゼル発電機を搭載している。このため、最大4kW/平均850W(30日連続)の電力をペイロード観測装置に供給可能だ。

この豊富な電力のおかげで、沿岸水深測量に必須のマルチビーム測深機の搭載だけでなく、洋上風力発電サイトの事前調査に必要な地層探査ソーナーも搭載できる。また科学魚群探知機、気象観測センサーなども搭載可能で、これらを含めて海上での1ヶ月から数ヶ月以上にわたる長期観測を可能だという。

今後の展開

サイスガジェットではこのほかに、マルチビーム測深機、地層探査ソーナーだけでなく、曳航式海底面探査ソーナー、水中探索無人ロボット(ROV)を同時搭載した多目的中型USV 「SeaCAT」、箱形商用バンに搭載して観測基地港へ緊急展開可能なマルチビーム測深機搭載小型USV「CAT-Surveyor」も取り扱っている。これら海洋観測に対応した実用的USVの販売だけでなく、今後は観測サービスの受託業務を開始する予定だとしている。

WIND EXPO 2024について

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