沖縄キャンプも大詰め 広島カープ 週末まとめ “新助っ投” ハッチが先発 斉藤優汰と森浦大輔 明暗分かれる 玉村昇悟「悪いなりにできた」 期待の大型捕手 3年目の髙木翔斗

一柳信行 アナウンサー
広島カープのキャンプ、およそ1か月続きましたが、あす27日が最終日となります。きょう(26日)の練習ですけども、午後3時半過ぎに全体の練習は終わりました。かなり人が並んでいますが、着替えが終わった選手たちを待っている、いわゆる “出待ち” という感じになっています。週末・金土日とオープン戦が行われました。

2月24日(土) オープン戦 広島 vs. 巨人(コザしんきんスタジアム)

土曜日の先発マウンドを任されたのは、新外国人の トーマス・ハッチ でした。オープン戦、初登板です。1回は力強いストレートに、得意としているチェンジアップで三振を奪い、無失点のスタートを切ります。

しかし、本人が「初めての試合で疲労が出た」と振り返るように2イニング目に長打を浴びるなど2失点…。開幕ローテ入りへ、この経験を生かして、前を見すえます。

広島カープ トーマス・ハッチ 投手
MAX151キロ 2回 球数51 被安打3 奪三振2 失点2
「次の登板ではセットポジションからの投球の安定感や、ランナーを背負ってからのタイミングを確認して改善していきたい」

2番手は、斉藤優汰 。将来のエース候補は最速152キロをマークしますが、ボールが先行し、甘い球を見逃さない巨人打線相手にアウトがなかなか取れません。最初の1イニングで51球も投げて6失点。予定の3回を投げ切れませんでした。

斉藤優汰 MAX152キロ 2回 球数72 被安打7 奪三振2 失点6

リリーフ陣で光ったのが、4年目の 森浦大輔 。これまでの実戦では安定感を欠く場面がありましたが、決め球のチェンジアップが抜群。三者連続三振を奪うなど2イニングをパーフェクトに抑えました。

広島カープ 森浦大輔 投手
MAX144キロ 2回 球数26 被安打0 奪三振3 失点0
「ストライク先行でいけたのでよかったと思います。きょうみたいに “テンポよく” というのを継続できるようにしていきたいなと思います」

一方の打線は、3回に2年目の 久保修 がライトへヒット。1番の 菊池涼介 もライト前に。バッティング好調の2番・田中広輔 もライト線へ打球を運び、3連打で満塁のチャンスを作ります。

ここで3番・堂林翔太 。大きな当たりは犠牲フライに。選手会長のバットで1点を奪います。

4番の新外国人、ジェイク・シャイナー は4打席ノーヒット。試合は好調の打線が湿りがちで1ー10で敗れました。

2月25日(日)オープン戦 日本ハム vs. 広島(タピックスタジアム名護)

日曜日、小雨が交じる荒れ模様の中、アウェイの沖縄・名護市で日本ハム・新庄監督のハイタッチで迎えられた 新井貴浩 監督―。

カープの先発は、開幕ローテ入りを目指す期待の 玉村昇悟 。持ち味の緩急を付けて打たせて取るピッチング。

2回、ランナー2塁で 矢野雅哉 がセカンドゴロをさばき、すばやくサードに送球、2塁ランナーをサードで刺す好判断で玉村を盛り立てます。

玉村は、3回を3安打無失点。2試合連続で対外試合で好投し、開幕ローテ入りへアピールを続けます。

広島カープ 玉村昇悟 投手
3回 球数40 被安打3 奪三振0 失点0
「きょうは悪いなりに、そんなによくないわりになんとかできたかなと思います。追い込んでから何球もど真ん中に投げたりしたので危なかったんですけど、髙木(翔斗)がうまいこと、散らしてくれてよかったです」

一方、若手を並べた打線は、日本ハム先発陣の一角、上原に4回まで1安打に抑えられます。

しかし、5回、連打でチャンスを作ると、ここまでアピールできていない 韮澤雄也 。1・2塁間を鋭く抜く先制タイムリーヒットで気を吐きます。

広島カープ 韮澤雄也 選手
「まだまだですけど、やっと1本出たなって感じでした。沖縄も若い野手がいっぱい来ているので、毎日毎日、練習でも競争だと思うので、なんでもアピールできるようにがんばりたいです」

さらに再起を図る 中村奨成 が、鋭くレフト前に運び、2点目を奪います。

7回、ルーキーのサウスポー・髙太一 がオープン戦、初登板。先頭打者を1球でセンターフライに仕留めると、ランナーを出した場面でもきっちりクイック投法。高卒3年目のキャッチャー、髙木翔斗 が盗塁を刺し、髙を助けます。

広島カープ 髙木翔斗 選手
「刺せたのでよかったですけど、まだまだもっと足の速いランナーもいますし、さらに精度を上げて練習から突き詰めてやっていきたいです」

髙は、新井監督も「前回より腕がよく振れていた」と喜ぶ無失点ピッチングで1軍生き残りをアピールします。

9回、髙木の打球は、フェンス直撃でチーム唯一の長打に。この日、チームただ1人のマルチ安打で存在感を示します。

髙木翔斗 選手
「まっすぐを一発でとらえるということをこのキャンプの課題にしてやってきて、ツーベースの方は一発でとらえきれてよかった」

試合は、9回ウラに 大道温貴 が打たれ、サヨナラ負け(日本ハム 3Xー2 広島)となりましたが、新井監督は若手に手応えを感じた満足の試合となりました。

一柳信行 アナウンサー
日曜日のゲームは、あえて若手中心で組んだんです。スタメン9人の中である程度、1軍経験があるのは、セカンドを守った矢野選手1人だったんです。これには理由がありまして、こちら沖縄の方にたくさん若手を連れてきていますので、「実戦の場で彼らがどれだけ活躍するのか、これをつぶさに見たかった」と新井監督は言っていました。

そういった面では、特にバッティングの面では積極的にバットを振っていましたので、「また自分が悩む、いい面を見せてくれた」と話していました。

目立ったのが、キャッチャーの髙木選手でした。県立岐阜商業高校出身の3年目キャッチャー、背番号64。体が大きいんですけども、まず盗塁を刺したシーンが非常によかったです。1軍では、まだまだ緊張したシーンが出てくると思うので、きのうのような落ち着いたプレーができるかどうか、課題だと話していました。

バッティングですがヒットを2本打っています。2本目のヒットはレフトオーバーの当たりで、ホームランかというような打球でした。試合展開を考えましても、あの時点ではまだ1点しかリードしていなかったので、とにかく塁に出たかったと。そして何も考えずに無心になって振りましたと話していました。それが結果につながって本当によかったなと思います。

あと、なんといってもイケメンですよ。これもしっかりチェックしてもらいたいと思います。

青山高治 キャスター
若手といえば注目の 田村俊介 選手。土日、ノーヒットでしたが、内容はどうだったんですか?

一柳信行 アナウンサー
土日に関しては途中からの出場ということもありました。日曜日は1打席しか立たなかったんですけど、フォークボールをうまく打ったんですよ。1球目。バッターは、だいたい、まっすぐのタイミングで待つんです。その中で変化球が来た。体勢は崩されていたんですけども、うまくバットの先で拾い打つような感じだったんです。バットのヘッドを返さずに、コーンと拾い打つ感じだったんです。これは、なかなかすぐにできるものじゃないらしいんです。まだまだ若いんですけども、変化球を待っていなかった、まっすぐタイミングで変化球を真芯でとらえた。アウトにはなりましたけども非常に高いバッティング技術なんだよということをカープの関係者も話してくれいましたので、田村選手、期待してもらっていいです。侍ジャパンも待っています。

© 株式会社中国放送