福井県の福井市東公園を建設候補地とするアリーナ構想を巡り、福井市と市議会の立場の隔たりが鮮明になっている。2月26日の市議会一般質問で西行茂市長が「ぜひとも実現したい」と強調したのに対し、経済界が最大約50億円の行政支援を求めていることに、市議から「認めるわけにはいかない」「結局市が責任を取ることになる」などと反対意見が続出。経済波及効果の妥当性に対する懸念も示され、議論の行方は見通せない。
福井商工会議所などは今月6日に公表したアリーナの基本計画案で、整備費が約105億円と当初想定から大幅に膨らむとし、「民設民営」を維持した上で国、県、福井市に支援を求めた。一方、プロスポーツやコンサートなどで年間の来場者数58万人、経済波及効果56億円と試算し、整備の意義を強調した。
基本計画案を踏まえ、26日の市議会一般質問で1番手に立った見谷喜代三議員(一真会)は市の認識をただした。西行市長は「スポーツにはまちや人を元気にする力があり、経済波及効果も大いに期待できる」と述べ、構想の具体化を目指す姿勢を示した。行政支援に関しては「市民が納得できる内容となるよう県などと協議したい」とした。