【シンガポール】スーパー大手、供給網のグリーン移行を加速[商業]

シンガポールのスーパー大手シェンション・グループと金融最大手DBS銀行は26日、シェンションのサプライチェーン(供給網)の資源効率の向上とカーボンフットプリント(二酸化炭素=CO2=の総排出量)削減に向けた取り組みを強化すると発表した。サプライヤーである中小企業のグリーン移行を加速させる。

シンガポール政府系人材育成機関スキルズフューチャー・シンガポール(SSG)の人材育成プログラム「スキルズフューチャー・クイーン・ビー(女王バチ)」の一環となる。同プログラムでは業界の手本となる企業をスキルズ・フューチャー・クイーン・ビーに指定し、同企業が中心となって他社の従業員の研修などを行う。

シェンションは今回、サプライチェーン上にある小売業や卸売業を中心とする中小企業がそれぞれ脱炭素化計画を明確化、開発、実行できるように支援する。向こう2年間で最大1,000社を対象とする。

持続可能性のための取り組みを始めていない企業に対しては、持続可能性の原則や報告、トラッキングなどの基本事項を理解するための入門者向けワークショップを開催する。既に持続可能性への取り組みを進めている企業には、エネルギー効率の高いシステムの活用や車両の電動化、廃棄物削減、リサイクルなど、それぞれの事業分野に適したソリューションの導入を促進する。

DBS銀行は、スキルアップコースやグリーンソリューションの導入に加え、サステナブルファイナンス(持続可能な社会を実現するための投融資)に基づく融資を優遇金利で提供する。グリーン化に向けた取り組みを行う企業のコスト負担を軽減するための政府補助金の活用に関するガイダンスも提供する。

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