国連安保理、分断で権威失墜 「真剣な改革必要」=事務総長

Gabrielle Tétrault-Farber

[ジュネーブ 26日 ロイター] - 国連のグテレス事務総長は26日、国連安全保障理事会がイスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突のほか、ロシアによるウクライナ全面侵攻に対応できていないことを巡り、理事国間に分断があることで権威が致命的に損なわれているとし、安保理改革の必要性を訴えた。

グテレス事務総長はジュネーブで開かれている国連人権理事会の冒頭で、安保理が最も重要な平和と安全保障の問題について行動できないことがしばしばあると指摘。「ロシアによるウクライナ侵攻や、10月7日のハマスによる攻撃を受けたイスラエルによるガザ地区での軍事行動に対し安保理は結束を欠き、権威が致命的に損なわれている」とし「安保理の真剣な改革が必要になっている」と述べた。

ただ詳細については明らかにしなかった。

ガザ地区を巡っては、最南部ラファが人道援助活動の中核になっているとし、イスラエル軍が本格的にラファを攻撃すれば壊滅的な結果がもたらされると警告。「イスラエル軍によるラファへの本格攻撃で避難している100万人以上のパレスチナ市民が脅かされるだけでなく、国連の支援プログラムが壊滅的な打撃を受ける」と懸念を示した。

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