エンビード離脱で不振のシクサーズ。ベテランのハリスは「チームとしてうまく機能する方法を構築していかないと」<DUNKSHOOT>

フィラデルフィア・セブンティシクサーズは、2月25日(日本時間26日、日付は以下同)にホームのウェルズファーゴ・センターでミルウォーキー・バックスに98-119で大敗した。

シクサーズはジョエル・エンビードが左ヒザの負傷で戦線離脱した2月1日以降の11戦で4勝7敗。昨季のMVPで、今季も平均35.3点、11.3リバウンド、5.7アシスト、1.15スティール、1.76ブロックを残していた大黒柱の不在を考えると、チームが苦しむのは当然かもしれない。

バックス戦ではオールスターガードのタイリース・マキシーが24得点、7アシスト、3スティールを残すなど計5選手が2桁得点を記録も、チーム全体でフィールドゴール成功率37.1%(36/97)、3ポイント成功率34.8%(16/46)とショット不振に終わっていた。

なかでも、在籍6年目のトバイアス・ハリスはフィールドゴール成功率27.3%(3/11)の8得点に終わり、ここ3戦で平均10.0点、同成功率35.3%とスランプに陥っている。

ハリスはエンビード離脱後のチームのオフェンスについて次のように話していた。
「コート上でいい流れに乗っていく方法を模索しているところなんだ。当然、ハーフコート・オフェンスではもっとチームとしてうまく機能する方法を構築していかないといけない。とにかくアグレッシブに、シュートチャンスを見つけていく。そして正しいプレーを続けていく。ペイントへ侵入し、ショットのチャンスがあれば打っていくべきと思うことは多々ある。あとはオープンの選手がいたらキック(インサイドからアウトサイドへ出すパス)することだ」

主砲エンビード不在の今、シクサーズはマキシーを中心にオフェンスを展開しているが、ディアンソニー・メルトンや新加入組(バディ・ヒールド、キャメロン・ペイン、カイル・ラウリー)とガード陣が豊富な一方で、ビッグマンの頭数が足りていないこともあり、オフェンス構築が課題となっている。

今季からチームを率いるニック・ナースHC(ヘッドコーチ)も、バックス戦後にこう口にしていた。

「我々はいくつかの問題を解決しようと取り組んでいる。だがこのグループで“ドライブ&キック”のスタイルをもう少しうまくこなさなければならない。オフェンス面では特に、もっと整理整頓をしていく必要がある」

エンビードの復帰は早くてもシーズン終盤と言われている。そうした状況下で、チームとしてオフェンス面の課題を明確にし、改善していくことができるか。ナースHCの腕の見せ所となりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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