楽天G、社債型種類株発行を計画 最大1000億円

Miho Uranaka

[東京 27日 ロイター] - 楽天グループは27日、最大1000億円の社債型種類株式を発行する計画を発表した。議決権や普通株式への転換権がない株式で、東京証券取引所プライム市場への上場申請を想定している。

楽天Gはこの日、発行登録書を提出した。期間は2024年3月6日から26年3月5日までの2年間。当初5年間は固定配当となっている。5年が経過すると楽天Gに買い戻す権利が生じる。引受証券会社は大和証券。

資金使途は発行決議時に決める。同株式は会計上、発行の全額が資本として認識されることから「財務健全性の強化に資する」としている。楽天Gは今後予定されている社債の償還に向けて資金調達手段の多様化を図るとともに、既存の普通株主の利益を可能な限り損なわず、自己資本の拡充を実現できるとした。

同社は、携帯事業の基地局建設などの設備投資費用が積み上がり、23年12月期まで5年連続で通期純損失を計上。財務基盤を強化するため、資本性資金の調達により有利子負債の削減を進めている。

社債型種類株式の発行条件などは、株主総会の承認を経て具体的に詰める。今回、同株式に関する定款変更と同時に、AI(人工知能)に関する事業目的を追加するための定款変更も行うと発表した。

社債型種類株式はソフトバンクが昨年初めて発行した。インフロニア・ホールディングスも2月に入って発行登録を行っている。

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