アストンマーティン、新型バンテージGT4を発表。GT3と並行開発もロードカーと多くを共用

 2月27日、アストンマーティンは世界中で数多くのシリーズで活用されるGT4マーケット向けに、新型アストンマーティン・バンテージGT4を発表した。2月12日に発表されたバンテージAMR GT3エボに続く新型バンテージをベースとしたレーシングカーで、GT3エボと並行して開発された。

 アストンマーティン・バンテージGT4は、2009年にデビュー。2018年に昨年まで使用されてきたバンテージAMR GT4が登場し、世界中のGTカーレース等で活躍してきた。日本でもD’station Racingがスーパー耐久シリーズやGTワールドチャレンジ・アジアに投入。ニュルブルクリンク向けの派生モデルであるバンテージGT8Rを含め活躍してきた。

 アストンマーティン・バンテージについては、市販モデルに合わせ2月12日に、GT3カテゴリー向けのバンテージAMR GT3エボが登場したが、2月26日、GT4モデルも公開された。このGT4の登場により、アストンマーティンはトラックデーからF1まで、モータースポーツに対するブランドの取り組みを強調するとしている。

 新型バンテージGT4は、市販の新型バンテージのパフォーマンスアップ、技術面でのアップデートの恩恵を受け、さまざまな改善を受けているという。アストンマーティン・レーシング(AMR)によって設計されたが、ロードカーの構造、技術的なアーキテクチャのうち80%を共用。アルミ製のシャシーに安全要件を満たしたロールケージが取り付けられる。

 エンジンはロードカーをベースとした4リッターV8ツインターボを搭載。トランスミッションも市販車をベースにしており、エンジンはAMRが特注したボッシュ製モータースポーツECUを使用。またミッションはZF/AMRのモータースポーツ用ソフトがインストールされ、市販の8速ミッションを6速に“変換”。公道での高速巡航に使用するための7速と8速をロックアウトするという。シャシーはサスペンション取付ポイントはロードカーと同じだが、サスペンションリンケージを変更。またAMRとカーヴェーの技術提携により開発されたダンパーを使用する。

 外観については、GT4の空力パッケージを最適化するため、アストンマーティンのデザイン部門の意見を採り入れながらデザインされた。ボディパネルのほとんどはロードカーと共通だが、ボンネットは天然由来の複合材で作られる。また空力については、フロントスプリッターの大型化と新しいリヤウイングの採用でダウンフォースを増した。エンジンやブレーキへの空気流量も増えているという。

「新型バンテージGT4は、生まれながらの勝者だ。センセーショナルな新しいバンテージのロードカーに見られた大幅なポテンシャルアップの恩恵を受けており、バンテージAMR GT3エボと並行して開発されている。バンテージGT4は、ロードカーとレースカーのプログラムのシナジーが増大していることを実証している」というのは、アストンマーティン・ラゴンダのブランド/コマーシャルチーフオフィサーのマルコ・マティアッチ。

「新バンテージGT4の導入により、アストンマーティンのパートナーチームとさらに深い繋がりを得ることができる。現在我々には40社を超えるパートナーがおり、世界中のGTカーレースの幅広い分野で活発な競争を行っており、多くがマルチカー、マルチクラスのプログラムを実行している」

「このレベルへの関与は、あらゆるレベルのモータースポーツへのアストンマーティンの取り組みを強調するとともに、スポーツカーレースやル・マンでの成功を通じて、多くのファンやフォロワーへの緊密な関係を構築することを示している」

 日本ではスーパー耐久ST-Zクラス、GTワールドチャレンジ・アジア/ジャパンカップに使用が可能で、D’station RacingがGTワールドチャレンジ・アジアに向け「エントリーを調整」しているという。魅力的なバンテージGT4が日本でも観られるのか、楽しみにしたいところだ。

新型アストンマーティン・バンテージGT4
新型アストンマーティン・バンテージGT4
新型アストンマーティン・バンテージGT4
新型アストンマーティン・バンテージGT4
新型アストンマーティン・バンテージGT4とロードカーのバンテージ
新型アストンマーティン・バンテージGT4のコクピット

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