受験当日に月経痛や感染症…鹿児島県も公立高校入試に「追試」導入へ 来春から、今年は「公平性を重視」して見送り

昨年の高校入試で、学力検査を受ける生徒たち=2023年3月2日、鹿児島市の鹿児島中央高校(画像は一部加工しています)

 鹿児島県教育委員会は27日、2025年度の公立高校入試から追試を行う方針を示した。対象にはインフルエンザや新型コロナウイルス感染症のほか、月経に伴う体調不良で学力検査を受けられなかった生徒などを想定。27日の県議会代表質問で、地頭所恵教育長が明らかにした。

 文部科学省は昨年12月、月経を含め、やむを得ない事情で受験できなかった生徒にも十分な機会を確保するよう全国の教委へ通知。地頭所教育長は「国からの要請などを考慮した」と述べた。自然災害や会場に向かう途中で事件・事故に遭って欠席したケースも対象に含む。

 追試はコロナ禍で実施する自治体が増え、鹿児島でも21~23年度に学力検査の追試を設けた。県教委によると本試験が各教科50分だったのに対し、追試は20分で実施。その分出題数も減らすなど内容が異なり、高校側から合否の判定が難しいとの声があった。そのため今春の24年度入試は「公平性の重視」を理由に見送った。

 新たな追試では「公平性を担保する方策を今後検討する」としている。テストか面接かといった形式や日程などは、10月に実施要綱で公表する。

 文科省の調査によると、今春の公立高校入試で学力検査の追試を準備していないのは鹿児島を含め6県。鹿児島では学力検査の当日に体調不良となった場合、別室で受験できるが、欠席すると、定員割れの学科でのみ募集する2次選抜に進む。

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