イスラエル、パレスチナ自治政府への税収送金を再開=米財務長官

[サンパウロ 27日 ロイター] - イエレン米財務長官は27日、イスラエルがパレスチナ自治政府の代わりに徴収した税金の送金を再開することで合意し、既に開始したと発表した。訪問中のブラジルで記者会見した。

税金は自治政府の基本的なサービスへの支出や、ヨルダン川西岸地区の経済強化などに充てられる。

イエレン氏は税収の送金を「継続しなければならない」と言及。一方、イスラエルによるパレスチナ人労働者の移動制限がヨルダン川西岸とイスラエル双方の経済を停滞させていると警告した。

イエレン氏はイスラエルのネタニヤフ首相に書簡でこの問題を提起したと説明。「ヨルダン川西岸地区の住民がイスラエルで働けないようにすることはヨルダン川西岸の収入に非常に大きな悪影響を与えてきた。イスラエルもその労働力に依存している」と労働力不足がイスラエル経済にも打撃を与えていると訴えた。

パレスチナ指導部は、イスラエルの制限措置によって統治能力が事実上妨げられていると主張。イスラエル財務省が一部の税収送金を拒否したため、パレスチナ自治政府は数カ月間にわたって公共部門の給与を完全には支払うことができなかった。

イエレン氏は、パレスチナ自治区ガザでの紛争による世界経済への顕著な影響はまだ見られないものの、状況を注視していくと述べた。

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