2024年10月、鳥取県で上演されるオリジナルバレエ「赤毛のアン」。2月24日と25日に初稽古が行われ、公演に向け本格的に動き始めました。子役やダンサーは、オーディションで選ばれていて、兄弟や親子で出演する人もいるようです。
安松裕一 記者
「本番まで約8か月。いよいよ稽古が始まりました」
鳥取県鳥取市のとりぎん文化会館で行われたのは、2024年10月に上演される新作バレエ「赤毛のアン」の初稽古です。
この「赤毛のアン」。
鳥取県文化振興財団がプロデュースするオリジナルバレエで、指揮・音楽監督に、鳥取県出身の井田勝大さん、振付・演出を世界的に活躍する山本康介さんが担当します。
子役とダンサーは、2023年にオーディションが開かれ、県内のバレエダンサーや教室に通う子どもたち、総勢83人が選ばれました。
午前、まずは子役の64人が2グループに分かれて練習です。
振付・演出 山本康介さん
「やっぱり姿勢がこうなると、横に上げてる手がこういう風にぶらさがってきちゃう。これが当たり前です」
子役の子は小学生がほとんどで、バレエの経験年数もまちまち。
そんな中、山本さんは、ストレッチや柔軟、バレエの基本的な動きなどをバレエの成り立ちの話も交えながら丁寧に指導していきます。
振付・演出 山本康介さん
「バレエってどうしても足で踊ってると思われがちですけど、バレエの歴史は腕の動きや上半身の使い方からできているので、それをやっぱり一番最初に口をすっぱくして言って、そういうイメージをつかんでもらいます」
澄川文香さん
「いつもレッスンでしていることとは少し違って、もっと気を付けないといけないところがいっぱいあるんだということが分かりました」
そして、午後からはダンサーのレッスン。
ダンサーは、小学生から上は55歳までの19人です。
山本さんは、自ら手本を見せながら、ここでも呼吸の仕方、正しい姿勢や目線、足の運び方など、基本の動きに重点を置きました。
今回、主役のアンを務めるのは、東京のKバレエ所属のプロダンサー。
ソリストは、米子バレエスクールのダンサー、大下結美花さんと生田絵美さん、そして、鳥取シティバレエの山下彩香さんの3人が務めます。
山下さんは、まだ中学2年生ですが、数々の全国大会で優勝するなど、実力の持ち主です。
山下彩香さん
「たくさんの人と関わることで、自分が知らない体の使い方とか音楽のとりかたとかもあるので、良いところを吸収しながら、もっとすばらしいダンサーになりたいです」
鳥取で行われる大舞台。
出演者たちは、それぞれ特別な思いを持っていました。
兄弟で参加する人も。兄の綜一朗さんは社会人で、弟の龍磨さんは大学生です。
別々のバレエ教室に通う2人は、同じ舞台に立てることを楽しみにしています。
河本綜一朗さん(兄)
「自分が出ようかなと思っていて、弟に声かけたら、じゃあ自分もということだったので」
河本龍磨さん(弟)
「2人で同じ舞台で絡みがある踊りを一度もしたことがないので、今回は願わくばそういう場面があったらうれしいなと思いながら、2人で楽しんでいきたいと思います」
小学3年生、子役の西尾佳奈さんは、2022年に上演された鳥取オリジナル版のバレエ「コッペリア」に、当時、最年少で出演しました。
今回、成長した自分を見せたいと意気込みます。
西尾佳奈さん
「(2年間で)ちょっとは上手になれたかと思います。(今回は)ちゃんとしたきれいな演技を見せたいです」
主婦の北道由加里さん(44)はバレエ歴は40年以上。
今回、小学1年生の娘・光彩さんとオーディションを受け、見事合格しました。
北道由加里さん
「緊張もあるんですけど、これから10月まで、すごく楽しい夢のような世界が繰り広げられそうだなと思って、子どもとわくわくしながら毎日練習に取り組んでいこうと思っています」
振付・演出 山本康介さん
「(出演者には)バレエを続けるということで何を学ぶかということを感じ取ってもらえればうれしいです。彼女(アン)の成長を見せていくバレエなので、大事な人を連想するようなバレエに仕上げていこうと思っています」
出演者にとっても、成長と挑戦が重なり合う新作バレエ「赤毛のアン」。
2024年10月12日と13日に、とりぎん文化会館の梨花ホールで上演予定です。