英小規模企業の銀行口座、過去1年で14.2万件閉鎖

[ロンドン 27日 ロイター] - 英議会財務委員会が行っている調査で、国内最大手の銀行8行が過去1年間に小規模企業の口座14万2000件を閉鎖したことが分かった。融資が受けられない企業が出ており、懸念されている。

調査に含まれたバークレイズ、HSBC、TSB、ロイズなど8行のデータによると、小規模企業が開設していた口座530万件の2.7%が、リスク選好度や金融犯罪への懸念などを理由に閉鎖された。

財務委員会のボールドウィン委員長は声明で「これらの数字から、数千社単位に及ぶ小規模企業のリスク選好度の定義が利用銀行と合わず、銀行口座にアクセスできなくなっている実態が読み取れる」と分析した。

一方、口座閉鎖の理由にリスク選好度を挙げた銀行は3行にとどまった。この理由で閉鎖された口座は4214件だった。

ボールドウィン氏は、この現状から、口座閉鎖が「組織的に」ではなく「非公式に」進んでいる可能性があるとの疑問が浮上すると指摘。「銀行がほとんどまたは全く通知せずに企業口座を閉鎖する態勢にあることが示されたのは、調査で判明した最も驚くべき実態の一つだ」と述べた。

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