奄美大島の外来種マングース、ついにいなくなった…? 環境省が9月にも「根絶」宣言へ 成功なら面積は世界最大

奄美大島で撮影されたマングース(環境省提供)

 環境省は27日、鹿児島県の奄美大島に生息する特定外来生物マングースの根絶を9月にも宣言する方針を示した。2018年4月を最後に約6年間捕獲がなく、本年度末までのデータで判断する。奄美市で開いた防除事業検討会で意見をまとめた。マングース根絶の成功例は世界でも数少なく、奄美大島で達成できれば面積は最大となる。

 同省は根絶確率を算出するため、作業実績を基にした統計の計算式(HBM)と、最後の捕獲後に母親が1匹生き残っていたと想定して算出する計算式(REA)の二つを構築。22年度の根絶確率はHBMで99.2%、過大評価が少ないREAは95.7%だった。

 23年度中にマングースの痕跡が見つからず、前年度と同程度の作業ができた場合、23年度の確率はそれぞれ99.8%、98.8%となる。今年3月末までの情報を加え、改めて正確な根絶確率を算出すると決めた。

 23年度はこれまで、島全域の約2万個のわなにかからず、449地点に設置した監視カメラにも写っていない。年度のデータがまとまる24年8月以降に検討会で再度評価し、同省がその後宣言する予定。

 検討会座長の石井信夫・東京女子大名誉教授(哺乳類生態学)は「22年度データで根絶とするには早いと感じたが、仮評価としては23年度データをもって根絶と考えて良い」と話した。

 毒蛇のハブ対策で島に持ち込まれたマングースは、アマミノクロウサギなど希少生物を捕食。ピーク時の00年ごろは約1万匹まで増えたとされ、同年から本格的な駆除が始まった。

マングースの根絶確率を計算した2種類の式を分かりやすくまとめた表

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