ANA長崎支店 空輸で新鮮な長崎県産品を全国各地に 付加価値の高い販売ルート構築を目指す

長崎県から空輸した鮮魚をPRする客室乗務員=神奈川県、東急ストア中央林間店(ANA長崎支店提供)

 全日空(ANA)長崎支店が、自社の航空ネットワークを生かした長崎県産品のスピード輸送に乗り出した。「2024年問題」で従来の物流網維持が課題となる中、新鮮で付加価値の高い農水産物を全国各地に速達できる販売ルート構築を目指している。
 ANAホールディングスと本県が昨年2月に結んだ連携協定に基づき、長崎空港を活用した県産品の販路拡大を図る。第1弾として東急ストア(東京)と連携し、23、24の両日に首都圏の4店舗で「長崎県フェア」を開催。長崎市内で早朝に水揚げしたブリやタイの鮮魚を長崎空港から羽田へ送り、午後1時には各店頭に並んだ。作りたての干物やアスパラガスなども販売し、一部店舗ではANAの客室乗務員が商品を説明した。両日とも完売した。
 並行して北海道を中心にコンビニエンスストアを展開するセコマ(札幌市)とも連携。28日から西海市産のミカン「麗紅(れいこう)」を道内の「セイコーマート」139店舗で販売する。145箱計約800キログラムを新千歳空港に空輸し、セコマが現地物流網で各店舗に運ぶことで輸送コストを抑える。売り切れ次第終了するが、今後も、季節ごとに県産品を提案する計画。
 ANA長崎支店は「これまで届けられなかったエリアに長崎の新鮮でおいしいものを送ることができる。今回の売り上げ状況やお客さまの反応を検証して、県産品の販路拡大につなげたい」としている。

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