福井県越前市の古料亭「多葉喜」解体免れ宿泊施設に 2月10日開業、風情あふれるたたずまい

歴史の重みを感じさせる「和宿 多葉喜」の外観=福井県越前市吾妻町
明治期に創建された料亭を再生した宿泊施設「和宿 多葉喜」のリビング=福井県越前市吾妻町

 明治期に創建された福井県越前市吾妻町の古料亭「多葉喜(たばき)」が、一棟貸しの宿泊施設に再生され、このほどオープンした。旧武生市の料亭文化の歴史を刻んだ建物を生かし、中庭に面した和室リビングは風情あふれるたたずまい。2階の大広間は交流スペースとして活用し、別棟のカフェを併設した。3月の北陸新幹線越前たけふ駅開業後を見据え、まちなか観光の拠点を目指す。

 多葉喜は1892年創業の料亭で、冠婚葬祭などの宴席や政治的会談の場などとして時代を超えて利用されてきた。創業家から別の事業者に引き継がれて営業が続いていたが、2019年に廃業。解体の相談を受けた同市出身の建築士北畑栄さん(68)=東京都=が利活用を提案した。国の事業再構築補助金を受けて改修し、北畑さんの事務所が施設の運営を担う。

 宿泊施設「和宿 多葉喜」は2月10日に開業した。木造2階建てで延べ床面積407平方メートル。1階は、広間を生かしたリビングやダイニングから、料亭時代に親しまれてきた湧水の池がある庭園を眺めることができる。

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