【ミャンマー】ミャンマーの組織犯罪、世界最悪レベルに[社会]

ミャンマーで2023年に発生した組織犯罪が世界最悪レベルだとする分析結果を国際団体が26日に発表した。犯罪からの回復力が大幅に弱まった一方で犯罪性が増したためだ。

分析結果を発表したのは、スイスを拠点とする国際市民社会団体の対国際犯罪組織グローバル・イニシアチブ(GITOC)のルイーズ・テイラーアジア太平洋地域代表。この団体による調査「2023年世界組織犯罪指数」を分析した。

世界組織犯罪指数は、193カ国・地域の組織犯罪について、犯罪性と回復力をそれぞれ10点満点で評価して指数化したものだ。点数が高いほど悪化の度合いが強いことを示している。

ミャンマーは、23年の犯罪性指数が8.15となり、世界最悪となった。下から数えて3番目だった21年の前回調査結果から0.56ポイント増加した。回復力指数は1.79ポイント落ちて1.63となり、ワースト3だった。

テイラー氏は、ミャンマーでは回復力の低下が顕著だったと指摘した。最も下がった項目は「国際協力」。低下の理由について同氏は、21年2月のクーデター後に国際的なパートナーがミャンマー軍政に直接関与しない方針を取ったほか、国際会議や情報交換・交流から排除されたためだとした。

犯罪性は、レアアースの違法採掘など非再生可能資源に関する犯罪と、人身売買の項目が特に低下した。国内での紛争激化が無法状態を生み、国境地帯で中国などのオンライン詐欺拠点の規模が拡大したと指摘した。

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