走行距離は無制限、定員も廃止 金沢マラソン・オンライン大会 

オンライン大会で走るランナー=昨年9月、市内

  ●被災地へ寄付検討

 9月13日~10月14日に開催する第10回金沢マラソンのオンライン大会で、市は28日までに、走行距離を無制限とし、人数制限も廃止して、定員を設けない方針を固めた。これまで距離別に設定していた部門を取り払い、ランニングを楽しんでもらう。出走者の走行距離の合計に応じて能登半島地震の被災地に寄付金を届けることを検討しており、復旧・復興につなげる。

 市は3月下旬に開かれる金沢マラソン組織委員会で概要案を示し、正式決定する。

 オンライン大会は2020年、コロナ禍で本大会が中止されて初開催された。20年はフル(42.195キロ)のみで、21年以降は100、200キロを含む距離別4部門が設けられた。

 ランナーはスマホアプリを活用して時間帯やコースを決めて走ったが、指定距離を超えた段階で計測できなくなる仕組みだった。アンケートで「もっと走りたい」との声が集まり、今年は部門を設けず、個々の走力や意欲に合わせてもらう。

 多くの人の参加を促すため、定員の枠組みもなくす。エントリーは20年、2千人を追加募集するほど殺到したが、21年以降はコロナの影響もあり右肩下がりとなり、昨年は定員4千人に対して2782人だった。完走率も20年の94.8%から下がり続け、昨年は84.4%となった。

 今年はランナーの走行距離に基づき、組織委員会の予算から被災地への寄付金を捻出する考えだ。1キロ当たりの金額を設定し、大会後に寄付金額を発表する。

  ●ファンラン当日開催

 昨年、本大会前日に初開催した「ファンラン」は今年、当日にスタート会場のしいのき迎賓館周辺で行う。小学生以上200人が対象で、1.4キロのコースを20分で1周する。

 金沢マラソンは市や北國新聞社などで構成する組織委員会が主催する。

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