FRB、物価目標達成にまだ距離も年内利下げは可能=NY連銀総裁

Michael S. Derby

[ガーデンシティ(ニューヨーク州) 28日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は28日、米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%のインフレ率達成にはまだ距離があるが、データ次第では年内の利下げもあり得るとの見方を示した。

ニューヨーク州ガーデンシティで開かれたロングアイランド協会の会合での講演で「経済はより良いバランスを達成し、2%のインフレ目標を達成するために長い道のりを歩んできたが、われわれはまだそこに到達していない」と指摘。「力強い経済と労働市場を背景に物価の安定を完全に回復させることにコミットする」と述べた。

FRBの金融政策を巡るスタンスが今後どうなるかについて明確には示さなかったものの、利下げプロセスの開始は「年内」になる可能性があるとした。

また、FRBには利下げを決断する前にデータを収集する「時間がある」とし、「この旅路の残りを進むにあたり、データ、経済見通し、リスクに注目し、われわれの目標を最も達成できる金融政策の適切な道筋を評価する」とした。

講演後の会見では、経済状況は当局者が利下げを織り込んだ12月時とほぼ同様と言及。FRBが議論する「出発点としては12月時の3回利下げ予想のようなものが妥当というのが個人的な考えだ」とし、FRBの目標達成に向けて金融政策を活用することに関して「われわれは良い位置にいる」とした。

講演では、インフレ率の構成要素が「広範囲にわたり」低下する中、インフレ率は過去1年半で「大幅に低下した」が、「持続的な2%のインフレ率への道のりはまだ遠い」とした。

インフレ率は今年で2─2.25%に、来年で2%に低下すると予想。1月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことについては、インフレ率が2%に戻る道のりは平坦ではない可能性があるとの見解を示した。

経済成長率に関しては今年約1.5%に鈍化すると想定。失業率は現在の3.7%から約4%に上昇するとの見通しを示した。その上で、見通しに対するリスクは依然あるものの、それでも経済はよりバランスが取れてきていると評価した。

© ロイター