腎臓病特効薬を開発中 島原出身の宮﨑医師 3月8日に故郷で講演

猫の腎臓病特効薬などを開発している島原市出身の宮﨑医師(AIM医学研究所提供)

 猫の主な死因とされ、人でも長時間の透析が必要となる腎臓病の特効薬開発に取り組んでいる長崎県島原市出身の医師、宮﨑徹氏(AIM医学研究所代表理事)=東京都=が3月8日午後7時から同市平成町の島原復興アリーナで、「猫が30歳まで生きる日と、人の透析がなくなる日を目指して」と題し講演する。主催する同市医師会などが聴講者(定員300人)を募集している。入場無料。
 宮﨑氏は1986年、東京大医学部卒業。同大学院教授などを歴任し、96年に人や動物の血液中にあるタンパク質「AIM」を発見した。同研究所などによると、AIMには腎臓病の原因となる体内の老廃物を免疫細胞に食べさせ、掃除する役割がある。
 宮﨑氏は2016年、ネコ科では先天的にAIMが働きにくいことを突き止め、治療薬の開発を進めてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で資金調達が難しくなり、開発が中断。その苦境がメディアで伝えられると、全国の愛猫家から約3億円の寄付が寄せられ、22年4月に同研究所を設立した。
 宮﨑氏は「設立から5年以内で猫用は新薬承認、人用は臨床試験開始を目指している。腎臓病など、AIMを用いた難治疾患の治療法開発についてお話ししたい」とコメントしている。
 聴講希望者は3月2日までに▽氏名・勤務先など▽参加人数▽代表者の連絡先-を明記し、島原講演事務局(i-miyazaki@onsendo.jp)まで。

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