紺屋町の風情とにぎわい、調和求め 盛岡の団体、ルール策定提起

昔ながらの趣が残る紺屋町かいわい。道路右側の一角に高層マンションが建設される見込み=28日、盛岡市

 古き良き街の景観を守るルールづくりを-。盛岡市の紺屋町まちづくりの会は28日、こんな要望書を市に提出した。地元の菊の司酒造跡地で進む高層マンションの建設計画をきっかけに地元有志で結成し、市との対話の場もつくられる方向となった。周辺で複数のマンション整備計画が進む中、歴史的建造物があるまちの風情をいかに守り、にぎわいとの調和を図るか。専門家は「訴えを市民がもっと強めていくべき」と指摘する。

 紺屋町で染色業・巴染工を営む東條誠社長(54)ら会の共同代表5人が市役所で内舘茂市長に要望書を手渡した。▽たたずまいを守るためのまちづくりや景観のルール設定▽市と住民の対話の場▽マンション事業者との話し合いの場設定への協力-を求めた。

 共同代表の一人で書店BOOKNERD(ブックナード)を営む早坂大輔さん(48)は「盛岡の景観を守ることは今まで互いの気遣いや性善説で成り立ってきたが、暗黙の了解が通用しないフェーズ(局面)に来ている」と不安を吐露した。

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