「寂しい」「商業へマイナス」 買い物客や従業員に衝撃 佐世保玉屋の閉店 戸惑いや悲しみの声

閉店が明らかになった老舗百貨店の佐世保玉屋。買い物客らから悲しみの声が上がった=佐世保市

 「デパートがなくなるのは寂しい」「佐世保の商業へのマイナスだ」-。佐世保市中心部にある老舗百貨店「佐世保玉屋」の閉店が明らかになった29日、買い物客や従業員には衝撃が走り、戸惑いや悲しみの声が聞かれた。
 玉屋は同市中心部の三ケ町、四ケ町両アーケードをつなぐ位置にある。「(規模を)縮小しながらも続けていくのかなと思っていたが、いきなり閉店になるのは予想外だった」。させぼ四ケ町商店街協同組合の川尻章稔(あきとし)理事長(67)は静かに語った。「玉屋はランドマークで集客力もあった。四ケ町や三ケ町、周囲の店への影響もあるのでは」と気をもむ。今後に向け「百貨店として復活してほしい。周辺の商店街や市の合意を得ながら、新しい玉屋像を示してほしい」と求めた。
 玉屋前を歩いていた50代男性は「思い出があるデパート。なくなるのは寂しい」、市内の60代主婦は「(お中元など)何かあれば玉屋に行っていた」と振り返り「人口が減っているので仕方ない」と理解を示した。
 一方、突然の閉店発表で動揺も。玉屋内のパン屋を訪れていた20代の女性会社員は「近所で食料品を買う場所がなくなる」と残念がる。市内の80代女性は「商品券を持っているのに、直前に言われても困る。少なくとも1年前に言ってほしい」と憤った。玉屋のテナント従業員は「ニュースを聞いて驚いた。(店がなくなり)お得意さまに申し訳ない」とつぶやいた。

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