「正直、人間的に問題が多くて、感情をコントロールできない」「僕を使わない監督とはいつも喧嘩していた」鄭大世がそれでもプロで長生きできた理由は?

アジアカップでのイラン戦の黒星を受け、注目されたのが守田英正の発言だ。

「チームとしてどういう動かし方をして、どこを狙うか明確にしないといけない。もっと色々と外から提示してほしい」

これが大きな反響を呼んだわけだが、守田本人は自身のX(旧ツイッター)で「あの発言に後悔はない」とコメント。選手と監督の距離感も気になる中で、元Jリーガーの鄭大世氏に守田発言について聞くと、次のように答えてくれた。

「正解があるんですよ。それは、絶対にネガティブな発言をしてはいけないということ。その発言が良いか悪いかは外野が勝手に言うだけであって、ヒエラルキーのトップにいる監督への批判は絶対にやってはいけない」

守田は「森保監督」の名前は一切出していないが、鄭大世氏はこのような印象を抱いたという。

「選手の立場として上に逆らってはいけない。その点からすればあの発言は正しいとは思いません」

では、鄭大世氏は現役時代、監督に逆らったことはないのか。鄭大世氏の答ははっきりしている。

「僕を使わない監督とはいつも喧嘩していました」

ただ、と鄭大世氏は続ける。

「チームの輪を乱した時は速攻で謝ります。それができたから、プロでそこそこ長生きできた。僕は正直、人間的に問題が多くて、感情をコントロールできないし、上手くいかない時にグーっとなってしまうし、監督のせいにしてしまう。でも、チームの輪を乱しちゃいけない、監督に逆らっちゃいけないというのは一応理解していて、感情のせいでオーバーしてしまった時はすぐに皆の前で謝るし、監督にも即謝罪します」

あくまで鄭大世氏の持論だ。実際、同氏はプロで15年以上プレーしている。それだけの実績を残したのだから、彼の主張にもそれなりの説得力はあるだろう。

もっとも、本人は「人間的に問題がある」と言うが、接してみると確かな人間味がある。様々な感情を持ち合わせていることは決してネガティブに映らない。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

© 日本スポーツ企画出版社