被災地の大谷小・中学校 「結婚おめでとう」 届いたグローブ手に祝福

大谷選手のグラブを手に結婚を祝福する児童=珠洲市大谷小中

 結婚を発表した米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手に能登半島地震の被災地からも祝福の声が上がった。地震で甚大な被害を受けた珠洲市には、大谷選手と同じ名前の小中一貫校、大谷小中学校がある。児童らは2月20日に届いた大谷選手のグローブを手に「おめでとうございます。これからも応援しています」と祝った。

 日本海側に面する大谷地区は、海から昇る朝日と、海に沈む夕日の両方を眺望できる絶景が自慢。しかし、地震で民家の大半が倒壊し、市中心部とつながる道路は寸断され集落は一時孤立した。住民は富山県内のホテルに集団避難したほか、学校体育館で避難生活を送る。グラウンドには、仮設住宅が整備される予定だ。

 児童生徒23人は全員無事だった。いまだ不自由な学校生活が続く中、子供たちを喜ばせたのが、大谷選手から届いたグローブ、そして結婚報道だった。

 6年の水上しゅりさん(12)は「びっくりした。いつもスポーツニュースで見ているので、これからも頑張ってほしい」と今後の活躍に期待した。5年の村上アメティスさん(11)は「前は野球は好きではなかったけど、グローブを受け取ってから大谷選手を身近に感じている。結婚相手がどんな人なのか気になる」とほほ笑んだ。

 1日、登校した5、6年生3人が校舎の空きスペースを使ってキャッチボールをした。6年の國友栄巧(えいこう)君(12)は「楽しい。今度は外で思いっ切りキャッチボールをしたい」と笑顔で話した。

 同校では今後、体育の授業の際、グラウンドでキャッチボールをしていきたいとしている。

道路にはみ出した倒壊家屋。奥には避難所の大谷小中が見える=珠洲市大谷町

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